現場レポート
ドローンの操縦、VRでの安全体験…最新テクノロジーで進化する設備工事業界を10代が体験!中電工のリコチャレ潜入レポート
今回、WattMagazine編集部は、中国電力グループの設備工事会社である株式会社中電工が広島県で開催した「リコチャレ」というイベントに潜入!中電工では、2015年からリコチャレのイベントを開催しており、今年は学生さんに設備工事業界(建設業)での働き方を知ってもらうことを目的に、ドローンの操縦や安全体感施設などを体験してもらいました。
今夏、中電工でリコチャレを開催!
女子学生に、もっと理工系分野への興味・関心を持ってもらいたい。そうした願いから、広島県広島市に本拠を構える株式会社中電工が2022年8月24日(水)に「リコチャレ」を開催。
「リコチャレ」とは女子学生が、理工系分野に興味・関心を持ち、将来の自分をしっかりイメージして進路選択(チャレンジ)することを支援するため、内閣府男女共同参画局が中心となって行っている取り組みです。毎年、多くの企業が参画していることでも知られています。中電工のリコチャレは、ドローンの操縦やVRでの安全体験など、普段は体験できない設備工事業界での仕事や安全への取組みを伝えることを目的に実施されました。この記事ではそのイベントレポートをお届けします。
リコチャレ、いざ、スタート!!
中電工業務本部の永原人事労務部長のあいさつで幕を開けた、中電工のリコチャレ。5名の学生さんたちが中電工の本社に集まり、お仕事体験が行われる研修施設に向けてバスで移動をしました。バスで20分ほどの場所に位置する中電工の研修施設は、研修所本館・安全実習棟・配電実習棟・グラウンドなどの設備が整っています。 施設へ到着したら、まずは参加者全員の自己紹介タイムです。今回は、パワーのみなぎる学生さんたちが集まりました。比較的、年齢が近いせいか、みんな和気あいあいとした雰囲気です。自己紹介が終わったら作業服をきて、体験を受ける準備へ。 8月末とはいえ、残暑が厳しいこの日の気温は30度近く。暑い中でも安全のために長袖の作業服を身に纏い、ヘルメットを装着します。そんな中、「暑くて大変だなあ」なんて声もちらほら…。しかし、どんなに暑くても、安全を守るためにはしっかりとした装備が欠かせないのです。グラウンドでドローンの操縦をしてみよう!
グラウンドに出たら、ドローンの体験がスタート。今までは人が鉄塔に登って強度や古い部品がないかなどの点検をしていましたが、ドローンが普及したことにより、高所に登らず、遠隔で点検することが可能になりました。学生たちは、ドローン操縦で鉄塔の点検を行える社員に、ドローンの操縦方法を教えてもらいます。 ここまで、初めての参加で少し緊張気味だった学生さんたちですが、初めてのドローン操縦に目をキラキラと輝かせていました。法律的には150メートルまで上げることができるそうですが、今回は安全のため20メートルほどの高さで操縦を行うことに。 ドローンの操縦は、肉眼でドローンを捉えながらドローンから送られてくるカメラの映像を見なくてはならないため、操作に慣れるのに多くの時間を要します。また、ドローンは風に流されやすいので、慌てず慎重に操作をしなければなりません。学生さんたちはプロペラの回し方から上昇方法、旋回方法を丁寧に教えてもらいながらしっかりマスターしていきます。ドローン本体にも衝突防止の機能が付いていますが、現場では操縦する社員に補助の社員がつき、常にドローンを確認して、危険を察知した場合はアドバイスを行うのだとか。ドローン操作は見ている以上に難しいことが伝わってきますね。
実際に操縦した学生さんからは、「ドローン本体を見ながら操作するだけなら何とかできるけど、内蔵されているカメラの映像を見るのが難しくて鉄塔にぶつけてしまいそう」「ドローンの動きが思ったより早くて、自分の思っているように操作できなかった」といった声があがっていました。
ドローンの操縦ができるのは1つのバッテリーにつき20分ほど。バッテリーが切れると自動的にドローンが降下してしまうため、鉄塔で作業をする際は、多くのバッテリーが必要とのこと。現場によっては何十個ものバッテリーを持って行くこともあるそうです。 ドローン操縦が楽しかったのか、ドローンが欲しい!と言う学生さんも。一台70万円以上すると聞いて驚いていましたが、「中電工に入社すれば操縦ができるかもしれないんだ」なんてこぼす場面も。少しでもドローンと、鉄塔の作業に興味を持ってもらえたかな…?
お化け屋敷よりひんやり…?VRで現場での危険をリアルに体験!
ドローンの体験が終わった学生さんたちが次に向かったのは、落下物衝撃体験や低圧線間短絡再現など、25もの安全体験ができる安全実習棟です。今回は、VRによる事故の体験と低圧感電体験をします。 VR体験では、立馬からの落下体験・足場からの落下体験・短絡(アーク)体験という、3つの中から希望するものを選び、各々に挑戦しました。中でも人気が高かったのが、足場からの落下体験です。これは、動きにくさを感じてつい、命綱を外してしまったことで、建設中の足場から落下してしまうという非常にリアルな体験ができるもの。「知らないと、作業現場でもやってしまいそうなので、実際に体験できてよかった」と貴重な体験に喜んでいました。少しヒンヤリする体験で、少しは涼しくなったでしょうか…?
中電工に入社した社員は、みな安全実習棟で安全体験を行い、現場で身近に起こり得る危険を疑似体験することによって、危険意識の向上を図っています。安全実習棟内にはさまざまな体感設備があるので、学生さんたちももっと色んな設備を試してみたいと話していました。
次は、目に見えない電気の危険を知ってもらう「感電体験」。電気の危険さを理解する上でも欠かせないものです。感電体験がはじめてということもあり、みんな、なかなかボタンを押すことができません。「ボタン押した瞬間に電気って流れるんですか?」としきりに尋ねる姿も見られました。見ている方もドキドキしてしまいます。電圧の強さを最大70Vまで上げることもできたのですが、学生さんたちは思った以上の威力に50Vほどでギブアップ。体験を終えてテンションが上がった学生さんたちは、女性社員との座談会会場へ移動しました。
女性社員と学生さんたちの座談会は後編の「『進路はどうやって決めたの?』『建設業界を目指すためにできることは?』中電工の現役女性社員が学生さんの質問に回答します! 中電工リコチャレレポート座談会編」でご紹介します!