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5Gと6Gで使用される電波ってどのようなものが使われるの?
4GLTEの携帯電話回線が普及してスマートフォンでできることが劇的に増えました。
それまではガラパゴス携帯で、そこまで早くない携帯電話回線を通じて外出先でできることを行い、光固定回線が接続されたパソコンをメインで使用するという使い方をしていました、現在では4Gよりも早い5Gや6G携帯電話回線の整備が進んでいますが、5Gと6Gで使用される電波とはどのようなものなのでしょうか?
従来の4G回線は800~2500MHz帯
携帯電話回線の電波の周波数でいえば、従来の携帯電話回線は800MHz~2500MHz帯と呼ばれる周波数を使っています。とくに800MHz帯の周波数は、入り組んだ場所にも電波が届きやすくつながりやすいため「プラチナバンド」などと呼ばれています。 しかし、電波の特性として、周波数が低いと一回の通信で使える範囲(周波数帯域幅)が狭くなる傾向があり、高速通信には向きません。周波数が低いと入り組んだ場所でもつながりやすいですが高速通信には向きません。周波数が高いと障害物があるとつながりにくいですが、通信に使える範囲が広くなるため高速通信に向いている、という一長一短の特性があります。
5G,6Gには4Gよりも高い周波数での通信が検討されている
4Gでは最も高い周波数で2500MHz(2.5GHz)が使用されています。この周波数で一度に使用されている周波数範囲(周波数帯域幅)は数MHzです。これでも3G回線よりは広い周波数帯域幅を使用しています。 5Gの普及が期待されているSUB6と呼ばれる周波数帯は3GHz~6GHzになります。ここでの5G回線の周波数帯域幅は100MHzと100倍の広さの幅での通信が予定されています。 さらに現在は衛星通信で主に使用されているミリ波と呼ばれる30GHzの周波数での5G通信では400MHzの周波数帯域幅を予定しており、4Gの400倍の広さの幅での通信が予定されています。この周波数帯域幅が大きいと、一度に送受信できるデータ量が多くなり、より高速大容量通信を行うことが可能になると言われています。
周波数が高いと入り組んだ場所への接続が困難
大きなメリットがある5Gの高周波数通信ですが、周波数が高いと見通し距離での通信しかできなくなるというデメリットが立ちはだかります。これは、5G用の携帯基地局を4Gの建設時以上に多く建設する必要があるということを意味します。 今までの携帯回線だったら1つの基地局で間に合ったものが、ビルの谷間など5Gの電波が届きにくい場所にもいくつか補助的な基地局を作らなければならなくなります。 この基地局の建設コストが、5G普及に対するブレーキになっているといってもいいでしょう。このため、5G回線をスポット的に使う「スポット5G」や光固定回線をうまく活用するなど、高速通信をより低コストで行う方法が模索されています。今後、さらに使いやすくなっていくでしょう。
プロフィール
西海登
本業の技術職の傍ら、webライターとして活動。小説家になりたかった過去を引きずりながらも、本業でも関わりのある技術分野の解説と経済分野を結び付ける記事を得意とする。
本業では、ビルメンテナンス業界から産業用機器の電気設計職へ移り、設備関連の保守点検から構築に関する職業を一通り経験、近年ではIoT関連の仕事にも携わり、ライターとしてもIoT分野の記事執筆の実績も増えている。2015年頃から、小説家になりたかった過去を生かせるのでは?と考え、ライティング業務をスタート。朝4時に起きて執筆活動をする日々を送っています。