電気の資格のアレコレ
【第二種電気工事士合格への道】効率良く合格を目指すために〜筆記試験対策〜
第二種電気工事士を受験するにあたり、「筆記試験」と「技能試験」の2つの試験に合格する必要があります。最初の筆記試験は最初の壁として、現役学生はともかく長らく勉強から遠ざかっていた社会人にとっては鬼門になるのではないでしょうか。しかし、しっかり対策を練って試験に挑めば決して難しい資格ではなく、老若男女問わず独学で十分合格を狙える資格でもあります。今回は「筆記試験」の具体的な対策として、何をすればいいのかを解説していきます。
合格に向けた効果的な学習方法って?
筆記試験は50問出題されるうち30問(60%以上)正解で合格です。つまり、満点を狙う必要は全くなく、分からない問題は潔く捨てることも可能です。筆記試験対策として1番重要なのは過去問をしっかり学習することです。理由としては、第二種電気工事士の筆記試験は過去問から出題される問題が大半だからです。もちろん初見問題もありますが、初めて見る問題を除けばほとんどが過去問で出題された問題に類似した問題が多いようです。 いきなり過去問を解いても意味が分からないと思うので、最初はテキストに一通り目を通してから過去問に取り掛かるのがベスト。このテキストも全て理解する必要はなく、軽く読み流すだけでも問題ありません。どんな問題が出題されるか把握し、分からない部分をテキストで確認する。この作業を繰り返しましょう。必要なものはテキストと過去問題集のみです。
計算問題
計算問題に苦手意識がある人は少なくないはず。第二種電気工事士の筆記試験ではルートを含む計算がありますが、電卓が使用できないので、自力で解かねばなりません。計算問題は約10問近く出題しますが、他が正解できれば合格できます。しかし、解き方をしっかり覚えておけば、中には計算せずに解ける問題もあり、実は貴重な点数源になったりもします。たとえば
この問題、まともに解くと非常に時間が掛かり計算も多いのですが、「三平方の定理」という法則を知っているだけで、瞬時に解く事ができます。 三平方の定理とは3つの辺の比が3:4:5になっていれば、必ず直角三角形になるという定理です。 第二種電気工事士の筆記試験ではこの三平方の定理が当てはまる事が多く、先程の問題文の抵抗が12Ωと16Ωで全体の抵抗がインピーダンス(√12*12+16*16)を計算すると20Ωとなります。これは12:16:20の比率になり、約分すると3:4:5になります。つまり、200Vの電圧の比率を5とすると3の比率は120Vとなり、答えは「ハ」となります。これは正式な解き方ではありませんが、このように簡単に数値を解く事が出来る問題や、計算せずに公式だけ覚えておくだけで解ける問題など、一通り過去問に目を通して覚えられそうな問題だけでも覚えるのも立派な攻略となります。
識別
識別は筆記試験の中でも比較的出題数も多く、筆記試験の中では1番重要でもあります。図記号や写真を見て判別するのは、実際電気工事を行う上でも必須なので、この識別は時間を掛けて覚えましょう。中にはテキストなどでも紹介されていない材料や器具が出題される事もありますが、最低限テキストに記載されているものは全て覚えるくらいの気持ちで取り組んで下さい。
複線図
筆記試験の後半20問は配線図問題で、実際に配線図を見ながら解いていきますが、複線図を自分で書いて求める問題が出題されます。この複線図をしっかり理解して書けるようになると次の技能試験で大いに役立ちます。技能試験では筆記試験で出題される複線図よりも単純な構造なので、こちらでしっかり複線図を書けるようになれば、筆記試験での点数確保にもつながり、技能試験の時もスムーズに練習に入る事ができるので一石二鳥です。
まとめ
初めて筆記試験の問題を見ると難しく感じるかもしれませんが、実はそこまで捻った問題が出る事は少ないので、しっかり過去問で対策すれば合格はできます。この後に控えている「技能試験」は逆に一切のミスが許されないので、個別に対策を講じる必要があります。そちらの対策は別の記事で解説します。