電気の資格のアレコレ
電気工事士の問題を解いてみようシリーズ 学科編②
毎日、何気なく利用している電気用品ですが、誰もが安全に使えるように検査に合格したものだけが販売されています。普段はあまり意識して見ることはないかもしれませんが、勉強を兼ねて家にある家電のマークを調べてみましょう。
目次
電気にかかわる用品は、国が認定したものじゃないと使えない
私たちの身の回りには、電気で動く用品・機器(以下、電気用品)が数多くあります。電気用品は生活を便利かつ豊かにしてくれますが、品質に問題があると火災や感電など、危険な事故につながる可能性もあります。そうした粗悪な電気用品による事故を防ぐため、日本国内の電気に接続する用品は電気用品全法の検査を受ける必要があります。検査に合格した証である指定のマーク(PSEマーク)が表示されていない電気用品を販売したり、販売を目的とした展示をしたりすることは禁止されているのです。 この法律ができた背景には、高度成長期に電気用品の需要が急速に高まったことで粗悪な家電製品が流通し、その製品を原因とする火災が多く発生したことがあります。このような事故を防ぐため、電気を使用する製品は国の検査を受け、承認された製品のみを販売できるよう、1961年に「電気用品取締法」が制定されました。この電気用品取締法は、手続きが煩雑であったことなどから国内外の事業者から改善を望む声も多く、2001年4月に抜本的な改正がされ現在の「電気用品安全法」が制定されています。 電気用品安全法の第1条(目的)には「この法律は、電気用品の製造、販売等を規制するとともに、電気用品の安全性の確保につき民間事業者の自主的な活動を促進することにより、電気用品による危険および障害の発生を防止することを目的とする」と規定されており、以前の電気用品取締法とは「民間事業者の自主的な活動を促進することにより」の部分がとくに大きく異なります。
「特定電気用品」と「特定電気用品以外の電気用品」の違いと見分け方
電気用品は「特定電気用品」「特定電気用品以外の電気用品」の2種類の用品に分類されます。構造や使用方法、その他の使用状況からみてとくに危険、または障害の発生するおそれが多い電気用品は「特定電気用品」として116品目が指定されており、「特定電気用品以外の電気用品」は341品目が指定されています。
特定電気用品
特定電気用品には、図1のひし形のPSEマークが表示されており、表示部が狭い場合は
特定電気用品以外の電気用品
特定電気用品以外の電気用品には、図2の丸形のPSEマークが表示されており、表示部が狭い場合は(PS)Eの表示も可能です。特定電気用品以外の電気用品について製造、または輸入の事業を行う者は、「電気用品安全法」に規定する義務を履行したときに、図2の丸形のPSEマークまたは(PS)Eの表示をできます。 特定電気用品以外の電気用品の主なもの ・「電線管及び付属品」「ライティングダクト」「カバー付ナイフスイッチ」「電磁開閉器」「換気扇」 「蛍光ランプ」「電気冷蔵庫」等
電気工事士試験ではどのように出題されるの?
電気用品安全法にまつわる問題は、文章で電気用品安全法の内容を問う問題と、どれが特定電気用品なのかを問う問題の2種類あります。
毎回「電気用品安全法」は(1)又は(2)のどちらかの形式の問題が1問出題されています。
問題の解説
学習のポイント
今回は「電気用品安全法」について学びました。電気用品の分類や電気用品に表示しなければならない事項など、覚える項目は少ないのでしっかり暗記していただくと正解できる分野です。今回の問題が解けるようにして、確実に得点を得ていきましょう。
電気工事士の問題を解いてみようシリーズ 学科編①
電気工事士の学科試験では実際にどんな問題が出て、なにを覚えればいいのでしょうか?
学科編①はコンセントを表す図記号について解説します。
プロフィール
TAC電気工事士講座 三原 政次(みはら まさじ)講師
1950年鹿児島県生まれ。東芝テクノネットワーク(株)を経て「オフィスみはら」として電気工事や家電製品についての講師業を開設。現在は大学非常勤講師、企業講師としても活躍中。