現場レポート
「ブロックチェーンってなに?」神奈川県工業高校で特別講座を開催。熱狂した講座のアフターレポート
グラフィックデザイナーの細谷巌さんや“ハマのドン”として知られる実業家の藤木幸夫さんなど、多くの著名人を輩出している神奈川工業高等学校。電気科、建設科、機械科、デザイン科があり、専門的な知識を学びたい学生さんに人気です。
今回は同校にて最先端テクノロジーに関する特別講義があるとのことで、WattMagazine編集部がお邪魔させていただきました。
特別講座「ブロックチェーン」への思い
今回の特別講座のテーマは、「ブロックチェーン」、参加生徒は電気科の3年生10名です。 神奈川工業高校では、3年生になると自分でテーマを決めて一年を通して実験や制作を行う、「課題研究」という授業があります。今回は電気科の3年生のうち、AIやブロックチェーンをテーマに選んだ生徒に向けて講演を実施。 神奈川工業高校としては、ブロックチェーンの研究開発をしている専門家に講演を依頼すること自体、初めての取り組みだといいます。今まで、学生に向けてブロックチェーンを説明する機会がなかったため、一般社団法人日本ブロックチェーンの理事である峯荒夢(みね・あらむ)さんに「ブロックチェーンが創る未来」を講演いただく流れになったとか。 公演の企画と実施を担当した中谷先生は、「生徒に、未来を創造する力を養ってもらいたいと思いでさまざまな特別講座を企画しています。本講演では、峯さんにブロックチェーン技術の概要と、それを活用した新しい組織形態であるDAO(※)についてわかりやすく解説いただきました。ブロックチェーンによるWeb3.0の技術は、将来的にテクノロジーの主流としてこれからの社会生活に大きな変化をもたらす可能性を秘めていますから、今後、さらに多くの分野で活用が進んでいくでしょう。 生徒には自分たちがその変化の中にいることを認識してもらい、実際にブロックチェーンやAIの技術に触れる体験的学習を通して、未来の社会をリードする人材になってほしいと思っています」。 ※Decentralized Autonomous Organizationの略で、参加者の意思でプロジェクトの方向性を決定する形態の組織のことをいいます。ブロックチェーン上で管理・運営される組織のため、取引履歴が全て記憶されており、改ざんや不正はほぼ不可能と言われています。
参考:Gaiax「DAOとNFTを組み合わせて、どのように活用できるかを解説」ブロックチェーンはより良い社会を作るカギになる?
特別講座は45分程度でしたが、参加した生徒さんたちはどのような学びと気づきを得られたのでしょうか。 「ブロックチェーンという言葉自体は聞いたことがあったが、具体的にどのようなものか知りませんでした。今回の特別講座は、短時間で理解を深めることができる、とても有意義な講座でした。課題研究の中でNFTを活用しようと考えているので、ブロックチェーン、スマートコントラクト、NFTのつながりを理解して、課題研究の内容をより良いものにしたいです」という課題研究への前向きな意見のほか、 「今回の講演を聞いて、ブロックチェーンに限らず、新しい技術にとても興味を持つことができました」「中央集権的にならないため、みんなで世界を作ることができる。そうすれば、より良い世界ができるんじゃないかと期待しています」という明るい未来を想起させる意見や、「ブロックチェーン技術をもっと身近なものにしたい」と、ブロックチェーンを活用して社会を変えてくれそうな意見も。 新たな技術を知ることで、自分たちがどのように活用していくべきか、誰もが暮らしやすい社会を作り上げるために、どのようなシーンで役立つかを一人ひとりが思い描けたようです。
特別講座に参加して…
限られた時間のなか、生徒たちが集中して講座に参加し、高度な質問をして理解を深めていく姿を拝見し、これからの未来を担う10代の漲るパワーを感じました。この先もさまざまなテクノロジーが誕生していくと思いますが、うまく活用しながら明るい社会を築いていって欲しいですね。楽しく意義のある講座に参加させていただき、ありがとうございました…!