「実機を触ったことがないから不安」を解消。「リレー試験の鉄人〜 リレー試験(OCR・GR)を操作・体験する会!」イベントレポート

更新日:2024.08.08投稿日:2024.08.08

リレー試験で使用する実機を使って、実際の現場を体験できる「リレー試験の鉄人〜 リレー試験(OCR・GR)を操作・体験する会!」が2024年7月28日に都内で開催されました。イベントの情報を聞きつけたWattMagazine編集部スタッフは、会場へ潜入! イベントに参加したところ、リレー試験の体験だけでなく、スペシャルゲストに会うことができました。

「電験三種は持っているけれど実務経験はない」人のためのイベント

写真右端が Webメディア「電験倶楽部」の編集長の山口さん

電験三種の資格は持っているけれど、電気主任技術者として現場に出ていない人が多くいることをご存知でしょうか。そういった人々の中には、実機を触ったことがないという理由で、電気主任技術者になる道を閉ざしている方もいます。

資格があるのに、それを活かさないのはもったいない! そんな思いを抱くのが、イベントを主催したWebメディア「電験倶楽部」の編集長、山口さん。

「電気主任技術者は収入が高く、需要もあります。しかもワーク・ライフバランスが優れており、こんな魅力的な職業はない。それなのに実務経験がないという理由で、電気主任技術者として働いていない方が多いんです。そんな方々に向けて実際の業務を疑似体験できるイベントを企画しました」(山口さん)

キャリアアップやキャリアチェンジのためにイベントに参加

山口さんの言葉の通り、イベントの参加者は資格取得者か認定校出身者(これから資格申請をする方)ばかり。そして参加者共通の悩みが「実機を触ったことがない・業務経験がない」ということ。

実機に触りたいという理由で参加する方ばかり

「今はビルの設計管理の仕事をしていますが、ゆくゆくは電気主任技術者にキャリアップしたいと思っています。実際の業務を知りたくてイベントに参加しました」(参加者Aさん)

「ビルメンテナンスの会社で働いています。電験三種の資格は持っていますが、実務経験がなく、電気設備に触る機会がないため、参加しました。数年後には電気主任技術者として独立したいと考えています」(参加者Bさん)

「電気工事士として働いています。現場で電気主任技術者が点検作業をしている姿を見て、かっこいいと憧れを抱き、自分もなりたいと思うようになりました。電験三種の資格は取得しましたが、実務経験がないので、このイベントに参加しました」(参加者Cさん)

熱心に話を聞く参加者たち

スペシャルゲストの正体は・・・?

主催者の山口さんが開会の挨拶を終えると、イベントがスタート。

参加者の皆さん、一人で参加しているためか、やや緊張気味です。そんな緊張をほぐしてくれたのが、スペシャルゲストの電気予報士なな子さん!電気業界の情報を発信するYoutubeチャンネル「電気予報士なな子のおでんき予報」を運営する人気Youtuberです。

スペシャルゲストの電気予報士なな子さん

「はじめまして。電気予報士のなな子です。電験三種の資格は持っているますが、実務経験はまだ8ヶ月。今日はみなさんと一緒に学んでいけたらと思います」(なな子さん)

講師の務める江澤さん(右)と石井さん(左)

イベントの講師を務めるのは、現役の電気主任技術者である江澤さんと石井さん。

「本日は皆さんにリレー試験の検査体験をしていただきます。リレー試験とは、電気回路の異常状態を検出し、遮断器などの保護装置に信号を送って故障の拡大を防ぐための保護継電器(保護リレー)が、予め設定された動作条件で正しく動作することを確認するもので、電気設備の点検業務をする際の点検項目の一つです。リレー試験の中に、OCRとGRの動作確認試験があり、今日はこの2機を実際に触っていただきます」(江澤さん)

リレー試験体験へ。実機に触ってみたところ・・・

OCRの説明をする講師の江澤さん

まずはOCRから。OCRとは過電流継電器(OCR=Over Current Relay)を指しており、高圧電路の短絡や過負荷による過電流をよって動作する継電器です。

実際の現場で使用する検査シートを使っていきます

OCRを前に、講師が詳しく説明した後、一人ひとりが実機に触り、実際の現場で行っている動作確認試験をすることに。動作確認シートを手に、手順を教わり、OCRに電流を流し正常な数値かどうかを確認。不明点があれば、その都度、講師が丁寧に説明します。そのおかげで、皆さん、作業を無事に完了。ひと安心です。

イベント当日、使用された「地絡過電流継電器」通称GR

続いてはGRの動作確認試験の体験へ。
GRとは、地絡による過電流を検出する保護装置である「地絡過電流継電器(General Sensitivity Relay)」の略語です。

講師の説明をスマホで撮影する参加者たち

検査をする際は、電流のオンオフをしつつ、メーターの数値を計っていきます。ここでも講師が詳細に説明。一方の参加者たちも話を真剣に聞いており、中にはスマホで撮影し、後で復習できるようにしている人もいました。

電気主任技術者を目指す人にぴったりのイベント

リレー試験体験が終わった後は、雑談タイムへ。
先述したように参加者たちは電気主任技術者になりたいけれど、実機に触ったことが無いという悩みを抱えおり、この場でお互いの不安や悩みを共有でき、「仲間がいる」という安心感を得ているようでした。

参加者同士で雑談しつつ、情報交換

イベントの感想を聞くと、全員が「実機に触れて良かった」と満足げな様子です。

「いきなり現場へ行き、検査することは不可能です。今まで何が分からないかが分からなかったのですが、今日のイベントに参加できたおかげで、分からない部分が判明し、今度の勉強の方向性が見えてきました。しかも無料というのは非常にありがたい」(参加者Dさん)

実機を触りながら動作確認作業をするななこ子さん

スペシャルゲストのなな子さんもイベントで貴重な経験ができたと嬉しそう。

「これまで実機に触った事はあったのですが、触る時間が短かったので、何をしているかを掴めていませんでした。でも今日のイベントでは実機にちゃんと触ることができ、しかも丁寧に説明してもらえたので、理解が深まりました」(なな子さん)

講師の江澤さんは「みなさんが真剣に話を聞いてくれたので、嬉しかったです」と講師も参加者も大満足のイベントとなりました。

最後はみんなで記念写真

今回のイベントは、電験三種を持っている、または同等の知識のある人に向けたものでしたが、イベントを主催した「電験倶楽部」は初心者から中堅レベルまで、電気主任技術者になりたい人のためのイベントを多数、企画しています。

電気主任技術者になりたいけれど、どんなアクションを取ればいいか分からないという悩みを抱える人はイベントに参加することで、ヒントを得られるかもしれません。ぜひ積極的に参加し、キャリアアップやキャリアチェンジに活かしてみてください。

取材協力

電験倶楽部
「電気主任技術者ってカッコいい」のメッセージを掲げ、電気関連資格の取得を⽬指している⽅や既に関連の仕事に従事している⽅のためのWebメディア。情報発信だけでなく定期的にイベント開催。
公式サイト

この記事のライター

フリーの編集者・ライター。映画雑誌の編集者、制作会社にてWeb系コンテンツディレクターを経て、2019年に独立。インタビューや現場取材が得意。趣味は映画、ボードゲーム。

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