電気は移動の未来も変える〜電気自動車や電気で動く乗りもの

更新日:2024.07.25投稿日:2024.07.25

いま、世の中には燃料を動力にして動く乗り物以外に電気の力を利用して動く乗り物が数多くあります。とくに「電気自動車」は、環境問題への取り組みが急務になっていることから、今後さらなる普及が予測されます。 今回は、電気自動車のしくみから、他の電気を活用して駆動する乗り物、未来に活躍するであろう乗り物を紹介します。

電気自動車とは

電気自動車には、完全に電気の力で動く電気自動車と、電気とガソリンなどの燃料を状況に応じて使い分けるハイブリッド車があります。

電気自動車の仕組み

ガソリン車などの車はガソリンを燃料にしてエンジンを駆動させますが、電気自動車は、車に備え付けられているバッテリーに電気を充電し、その電気を利用してモーターを回します。タイヤが回る動力の違いで、エンジンを稼働させるかモーターを稼働させるかに分かれます。

電気自動車は充電した電気をバッテリーに蓄えますが、車の動力に対応する必要があることから、非常に大きいのも特徴です。ガソリン車で、何十リットルも入る大容量の給油タンクもありますが、それより大きいタイプが標準装備されています。

動力

ガソリン車は、ポンプで燃料タンクに入っている燃料をエンジンに送りますが、電気自動車には電気を充電した直流の電気を交流の電気に変換したり、内部の電圧をコントロールしたりするためのコントローラーと呼ばれる部分があります。いわば、こちらが電気自動車の心臓のような部分です。
ガソリン車も車のライトやワイパーの動力は電気の力で動きますが、この電気は補機バッテリーと呼ばれるバッテリーに電気を蓄えて使用するものです。概ね12V程度のものが使われていることがほとんどです。

充電方法

充電方法はいくつかありますが、1番ポピュラーなのは普通充電と呼ばれる、家庭用の電源を利用して充電する方法です。電気自動車の充電は200V電圧を使用する事が大半なので、それに合わせたコンセントを準備しなくてはなりません。

次が急速充電です。文字通り、急速に充電する方法で、サービスステーションや各ディーラー、最近ではコンビニでも見かける機会が増えてきました。遠出をする際に重宝しますが、どこに設置してあるか事前に調べておく必要があります。

そのほかにも、回生充電と呼ばれる方法もあります。走行中にアクセルを離すとどんどんスピードは落ちていきますが、モーターやタイヤは回り続けます。この時の動力を活用して充電するのが回生充電と呼ばれる方法です。即座に電気を使用するのではなく、バッテリーに充電されるので、燃費の向上にもつながります。

電気自動車のメリット

環境にやさしい

ガソリン車はガソリンを燃料として使用する際、二酸化炭素が排出されますが、これは環境問題において非常に重要な課題です。一般的な自動車は大量の二酸化炭素が排出されるため、地球の温暖化にもつながっているとされています。

一方で、電気自動車は電気が動力のため、二酸化炭素の排出量を抑えることができるのです。

騒音が小さく、低コスト

電気自動車はとにかく静かです。またエンジンが稼働しない分、振動などもほとんどなく、特に遠方へ移動する際は疲労感が段違いに感じるかと思います。
ガソリンと比較すると電気代は値段が安く、財布に優しい点も魅力です。過去にはガソリン代が1リットル8~90円の時代もありましたが、今はその頃の倍近い金額です。

電気代も比例して値段が上がっていますが、それでも電気の方がコスト的にも優れています。また、購入時の補助金や車検時の減税も注目です。購入時は他のガソリン車と比較するとやや高額ですが、その分国からの補助金が対象になるので、結果的に安く購入する事が可能です。

災害時の救世主になる?

地震大国と言われる日本では、いつどこで大きな地震があるか分かりません。停電が起きた際は、電気自動車の電気は、給電用の機器などを介して家庭用電源として使用することも可能です。車種によっては満タンの充電で数日、電気が供給できるものもあります。

電気自動車以外の電気で動く乗り物

他には電動自転車や電動キックボード、セグウェイなども電気の力で動きます。
遊園地などで子供が乗るゴーカートも電動のものが主流ですし、工場などで使用するフォークリフトも、ガソリンや軽油で動くもの以外に電動タイプのものもあります。

このように世の中を見渡してみると、電気で動く乗り物がたくさんあります。時代の変化とともに、電動タイプに変わりつつあるのかもしれません。

未来の乗り物はどうなる?

今、世界中で注目されているのが水素自動車です。
水素自動車とは水素と酸素の化学反応で生じた電気を活用して走行する自動車で、電気自動車同様、環境面で非常に優れています。
理屈は電気自動車と酷似している部分が多いですが、電気自動車は電気を充電しますが、水素自動車は水素を蓄えます。

ただし、電気ステーションは増え続けていますが、水素ステーションはまだあまり普及していません。また、水素は家庭で蓄えることができず、電気自動車と比較すると利便性に欠けます。しかし、水素自体は枯渇することがないエネルギーなので、今後、さらに発展して行くことが期待されています。

最後に太陽光自動車について触れておきましょう。
太陽光を活用した自動車はすでに開発されており、ソーラーカーレースや各種イベントなどで実物を見ることができます。

しかし、一般に普及はまだ先と言われています。理由としては、太陽光は燃費が悪く、ソーラーカーなどは限界まで軽量化をしている場合は問題ありませんが、日常的に乗る車となると、様々な装備が必要となり、それに応じた膨大な電力が必要となるからです。

また、太陽光発電機能は費用が高額な割に発電量が少ないのも難点です。実際にオプションで搭載できる車種はありますが、無理して搭載するような機能ではないのであまり利用者がいないのが現実です。しかし、ペロブスカイト太陽電池を活用することで、自由にパネルを貼り付けることが可能になるので、今後、普及していく可能性があるかもしれません。

プロフィール

kiki

2児のパパ。主に資格取得を目指す方に向けて攻略記事を、他には案件の紹介、ジャンルを問わない雑記記事を書いています。

ブログはこちらです。

ブログでは、今回の電気工事士以外にも危険物甲種や高圧ガス、ボイラー技士など主に工業系の資格をメインに解説しています。

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