生活と電気
何で綿菓子は電気飴って言うの? その由来と口の中で電気を感じるしくみを解説
“電気飴”と呼ばれるお菓子があることをご存知ですか?
現代では電気飴とは言わず、「綿菓子」と言われるフワフワの甘いお菓子です。
今回は、綿菓子が電気飴と言われている理由とともに、綿菓子を食べる時に電気が流れたようにピリピリする現象について解説します。
何故綿菓子が電気飴と言われるの?
綿菓子が電気飴と呼ばれる理由は諸説ありますが、まずは綿菓子の歴史からご紹介しましょう。
綿菓子の起源は18世紀のヨーロッパと言われています。当時はまだ機械などがないため、砂糖を溶かし、溶かした砂糖を紡いで食べる程度でした。しかし、砂糖は高級食材とされていた時代ですので、食べていたのは上級階級の人たちだけだったのです。
その後、アメリカのウィリアム・モリソンとジョン・C・ウォートンの二人が、砂糖を溶かしながら高速で回転させる電動綿菓子器を開発、1904年のセントルイス世界博覧会でお披露目をしたことで、世界中に知れ渡るように。日本に伝わったのは明治~大正時代ごろと言われており、お祭りなどのイベントで販売され、瞬く間に人気のお菓子になりました。
電気を利用して作るお菓子だから電気飴と呼ばれている説や、当時のように、砂糖のお菓子が少ない時代、甘くて美味しい綿菓子を初めて食べた時に電気が流れるような衝撃を受けたからそう呼ばれているなど、さまざまな説があります。一番有力なのは、食べた時にピリピリする感触があるため、電気飴と呼ばれたという説です。
綿菓子を食べるとピリピリする理由
「綿菓子を食べたとき、少し口の中がピリピリした」という方はいませんか?このピリピリする現象は、実は電気と少し関係しているんです。
綿菓子の主原料は砂糖ですが、カルシウムやマグネシウムなど、多くのミネラルを含んでいます。これらのミネラルが口の中に入ると、唾液と反応して電気が流れたような感触が生まれます。厳密には、舌の「味蕾」と呼ばれる器官がこれらのミネラルと反応し、脳に電気信号を送る過程でピリピリと感じるのです。
ピリピリ感じるお菓子は他にもある!
この他にも、口の中に入れるとピリピリ・パチパチと感じるお菓子はいくつかあります。それらのお菓子も綿菓子と同じように電気信号によって感じるのかと思いきや、こちらは主に「炭酸ガス」が一気に放出されてパチパチ感じるしくみになっているのです。
お菓子を製造する過程で炭酸ガスを内部に閉じ込め、口の中で溶けると同時に炭酸ガスが弾けてこのようなパチパチと弾ける感触が生まれます。イメージとしては、炭酸飲料に近いかもしれません。
まとめ
今では祭りの定番となっている綿菓子も、昔と異なり、味も見た目もカラフルかつバリエーション豊かになりました。それでも変わらないのは、食べた時のちょっとピリピリする感触です。身近なお菓子からも電気を身近に感じる事ができるので、次に食べる時は少し電気を意識してみるのも面白いですね。