生活と電気
朝食は太る?太らない?時間栄養学ダイエットおさらい 後編
前編では、時間栄養学とは何か、太りやすい時間についてお教えしました。後編では体内時計を利用したダイエット法3種をご紹介します。
体内時計ダイエット3選
時間栄養学ではだいたい朝6時〜午後6時の時間帯を「太りにくい時間」としています。基本的にはこの時間帯に食事を済ませることがダイエットの基本。中でもBMAL-1のようなホルモン分泌リズム(体内時計)を重視し、「どの時間帯に食事をとるべきか」に注力しているダイエット法を3つご紹介しましょう。
1.ヘルシースナッキング
ヘルシースナッキングとは、総カロリー2000kcalの食事を3〜4時間の間隔をあけてとるダイエット方法。朝食から12時間以内に食事を終えるとベストです。 例えば朝8時に朝食をとった場合、夕食は12時間後の午後8時までに済ませる。3〜4時間で12時間を区切った場合、 ・朝食=8時 ・昼食=12時 ・おやつ=15時 ・夕食=19時 というタイムスケジュールで「3食+おやつ」を食べることになります。こまめに食事をとることで、血糖値の乱高下を防ぎ食欲の暴走を抑えられる。「小腹が空いた」を過度に我慢する必要がなく、空腹感を感じにくいというメリットも。
2.「8時間ダイエット」
8時間ダイエットは、別名「16:8ダイエット」と呼ばれ、8時間以内に1日の食事をすませ、残り16時間絶食すると言うもの。 ヘルシースナッキングでは食事を「12時間以内」に済ませることが推奨されていましたが、さらに短い「8時間」を推奨するのがこのダイエットです。朝8時に食事した場合16時まで、昼12時に食事した場合20時までにその日の食事を終えなければなりません。 サイエンスライターとして活躍する鈴木祐氏はこのダイエット法を支持する一人。注目したいのは「空腹の期間を12時間以上、できれば16時間作る方が大事」と、絶食する16時間をより強く意識している点です。 16時間の絶食時間を守ると等間隔で3食食べることは難しいため、体内時計のサイクルをうまく回すには「1日3食」より「絶食時間の確保」が重要です。 必ずしも1日の食事タイミングに関わってくるわけではないが、ある程度の絶食時間に着目したダイエットには次の2種があります。 ①「5:2ダイエット」…一週間のうち2日、500〜600kcalの食事で済ませる。残りの5日に食事制限はありません。 ②「日替わり断食」…1日に2,000キロカロリーを食べたら、次の日は500キロカロリーまで制限、あるいは一日置きに完全断食する方法。毎日低カロリー食を摂取するより総摂取カロリーが減る傾向にあるのだそう(※2)
3.夜に炭水化物を食べる
夜に炭水化物を食べることで、肥満防止ホルモン「レプチン」分泌量のピークが空腹になりやすい夜に来るよう調整する方法。空腹感・満腹感が改善します。 BMAL-1分泌リズムからすれば信じられないダイエット方法のように思える。しかし夜に炭水化物をまとめて摂取することで、食欲をコントロールするホルモン「レプチン」の分泌リズムが変わり痩せやすい体質になるという。3食バランスよく炭水化物を食べるよりも体脂肪率が減少し、食事の満足感が上がったという実験データも出ているというから驚きだ。(※3) 同じものを食べても時間帯によって栄養の働き方や吸収率は異なる、というのが時間栄養学の考え方。体内のホルモンを理解し、体内時計とうまく付き合うことでダイエットのストレスを大きく減らすことができるかもしれません。 参考資料 ※2:「A randomized pilot study comparing zero-calorie alternate-day fasting to daily caloric restriction in adults with obesity.」 August,29,2016,Obesity (Silver Spring),Victoria A. Catenacci Zhaoxing Pan Danielle Ostendorf Sarah Brannon Wendolyn S. Gozansky Mark P. Mattson Bronwen Martin Paul S. MacLean Edward L. Melanson William Troy Donahoo https://doi.org/10.1002/oby.21581 ※3:「Greater Weight Loss and Hormonal Changes After 6 Months Diet With Carbohydrates Eaten Mostly at Dinner」September,6,2012,Sigal Sofer Abraham Eliraz Sara Kaplan Hillary Voet Gershon Fink Tzadok Kima Zecharia Madar https://doi.org/10.1038/oby.2011.48
元記事「朝食は太る?太らない?時間栄養学ダイエットおさらい」は2019年5月14日にBUSINESS LIFEに掲載されたものです。
朝食は太る?太らない?時間栄養学ダイエットおさらい | ビジネスライフ(BUSINESS LIFE)
食物が体に与える影響を解析する栄養学の中でも食事内容や量だけでなく「いつ食べるか」を重要視するものを時間栄養学という。(※1)時間と栄養吸収率の関係を知れば、無駄な食事制限を避けられるかもしれない。時間栄養学に基づき本記事では太りやすい食事時間帯をランキング化。さらに体内時計を利用したダイエット法3種をご紹介する。 早朝5時の朝食は太る?太らない? 食事をした時間帯によって太りやすさは変わってしま