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コンセントにある2つの穴。あれは一体なんだろう?
スマホの充電やドライヤーを使用するときなど、おそらくあなたが私生活で一番関わっている電気製品であるコンセント。こちらについて深く考えたことはありますか?「濡れた手でプラグを差し込んではいけない」「プラグに乗った埃はこまめに清掃する」ということはご両親から教わったことのある方もいるでしょう。実は奥が深いコンセントの仕組みについて、僕と一緒に勉強してみませんか。
屋内の分電盤とコンセントは配線で繋がっている
分電盤を開けてみると2本の配線(銅線)が安全ブレーカーの下から伸びています。これはコンセントの裏側に繋がっています。(電気の流れは「電力会社→アンペアブレーカー→漏電ブレーカー→安全ブレーカー→コンセント」となっています。)安全ブレーカーには100ボルトの電圧が印加されていますので、配線を通じてコンセントの穴に100ボルトの電圧が供給されるのです。 ※印加…電気回路に電圧を与えることを「印加」と一般的に表現します。
左の長い穴がコールド、右の短い穴がホット
コールドはアース(接地)と呼ばれ0ボルトの電位(電圧)を持ちます。ホットは100ボルトの電位(電圧)が印加されており、ここにプラグを差し込むことで100ボルト(100ボルト-0ボルト)の電位差(電圧)が電気製品に印加されることになります。この状態で電気製品(ドライヤーなど)のスイッチをオンにしていただくと使用状態となります。
テスターや検電器を使用して電圧が正常に印加されているか確認してみましょう
テスター 測定プローブを電圧測定の状態に設定し、コンセントのホット及びコールドの穴に挿入します。そうするとテスターが100Vの数値を示してくれると思います。ただ使い方を誤るとテスターが故障する可能性もありますので、最初は知識のある方に教わりながらやってみてください。 検電器 測定部位をコンセントの穴に挿入して測定をします。こちらはスティック状になっていますので、片穴ずつの測定となります。電位(電圧)を検知すると光ったり、音が鳴ったり(製品により異なります。)するため、ホットでは反応を示し、コールドでは反応を示さない、という結果になると思います。これはテスターのような数値ではなく、電位(電圧)が存在するか否かを検知する機器となります。
まとめ
こんな身近な電気製品でも勉強になることがたくさんありますね。あなたも今利用している電気製品がどんなものなのか、一度考えてみてください。きっと電気についてもっと詳しく勉強してみたくなりますよ。
プロフィール
どわーふ
私立大学大学院(博士前期課程)卒業後、大手メーカー2社で電気部品の開発業務に従事。現在はとある施設で電気主任技術者として電気保安業務を担当。また、フリーライターとして「電気主任技術者が運営する就活転職応援サイト」を運営中。