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思春期特有の悩み?周りの目が気になる心理と2つの対処
思春期は、「周りからどう思われているのか気になる」と不安に思う人が増える時期です。
しかし、周りの目を気にしすぎると、自分の気持ちをなかなか言い出せなかったり、自分に自信を持ちづらくなったりしてしまいます。今回は、「周りの目が気になる」という心理とその対処方法について解説していきます。
思春期は他人を意識する時期
そもそも思春期とは、心身が子どもから大人へと時間をかけて成長していく時期です。男女差はありますが10歳頃から始まり、次のような悩みが出てきます。 ・第二次性徴に戸惑ってしまう ・親に反抗的になってしまう ・周りに合わせすぎて疲れる ・人からどう思われるか気になる など そのため、思春期は心が不安定になりやすく、悩みを抱える人が増え、成長の過程で自分と他人を強く意識する時期でもあるのです。
自己評価と他者評価
人は、思春期に自分と他人を強く意識することで、自分の存在をくっきりさせていきます。 今までは「自分で自分を評価する」自己評価が中心であったものの、思春期に他人を強く意識することで、「他人から自分を評価される」他者評価に敏感になります。自分の意識がはっきりしていくからこそ、自己評価と他者評価にギャップがあるのではないかと不安になるのです。 思春期は性的な成熟もあるため、異性からどう思われるか、同性の友人関係を築けるかといった悩みに対し、過度に心配をしやすくなります。他者評価を気にすること自体は、これから学校や就職先などの社会生活を続けていくうえで必要な意識であり、おかしなことではありません。しかし、あわせて「友人から良く思われたい」や「周りから嫌われたくない」など多くの感情が生まれるため、思春期には自己評価と他者評価のバランスが崩れやすくなります。 この2つのバランスを上手にとることが、不安を払拭し、自分らしくいられる大切なポイントです。
周りの目が気になるときの2つの対処方法
他者評価ばかり気にして周りの目が気になることは、誰にでも起こり得る不安ですが、誰もが乗り越えていくことができる悩みでもあります。ここからは2つの対処方法をお教えしましょう。 自分の気持ちに焦点を当てよう あえて「自分は自分、他人は他人」と自分の気持ちに焦点を当て、他人との線引きをすることも大事です。無意識のうちに「周りが~」と考えてしまうところを、「自分は~」へ主語を置き換えて考えてみてください。そうすることで、自分の気持ちに焦点を当てやすくなります。 安心できる人に相談してみよう 他者評価が気になるときは、誰かに自分を認めてもらいたいという承認欲求が強まっている可能性もあります。 そのため、友達や家族など、自分が安心できる人に悩みを相談してみる方法も有効です。不安を聞いてもらえる安心感や誰かに認めてもらえる嬉しさで気持ちが安定し、他者評価と自己評価のバランスを取りやすくなります。
自分の気持ちを大切に
子どもの頃は自分の気持ちを素直に表現できても、思春期になると周りの目が気になり、自分の気持ちを表現しづらくなりがちになります。周りの目線はコントロールできないため、「自分は自分、他人は他人」とあえて自分の気持ちに焦点を当て、自分と他人のお互いの感覚を大切にしましょう。 また、他人の目線を気にしすぎて不安が強まる場合は、1人で抱え込まずに安心できる誰かに相談し、自分を認めてもらうことも大切ですよ。
プロフィール
しあん
臨床心理士・公認心理師。国立大学院修了後、精神科クリニックや学校現場にてカウンセラーとして従事。専門領域は臨床心理学、心理アセスメント。また、心理系大学院を目指す人のために『サイコロブログ』にて情報発信中。Twitterのアカウントはこちら。
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