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導体と絶縁体 電気を使うには「絶縁体」が重要だ!
電気を流すには、電線が必要。それは、誰でも知っていることかと思います。しかし、もし僕らが電線に触れたとしても感電することはありません。その理由は、導体と絶縁体という電気素材の性質をうまく利用しているからです。
少し難しいかもしれませんが、この現象を知ることであなたの世界がきっと広がるはず。電気のミクロな世界を一緒にのぞいてみませんか。
電線の構成について
そもそも、電線は電気の通りやすい素材である「導体」と、それを覆っている電気の通さない素材である「絶縁体」から構成されます。それぞれ導線、被覆などと呼ばれます。導体は電気を流すために存在し、目的に合わせて太くしたり、長くしたりします。素材には主に銅が利用されています。 絶縁体は、目的以外のところに電気を流さないという特徴を持っていますので、人が電線を触っても感電しないように、導体を覆うような形で形成されています。素材は主にポリ塩化ビニルやフッ素樹脂を利用します。
導体には自由電子が多数ある
導体内は何も力を加えていない通常の場合においても、電子が自由に飛び回っています。この状態の電子を自由電子と言いますが、この導体をコンセントに差し込むと、自由電子が電気(電流)として流れ始めます(下図)。
絶縁体には自由電子がない
絶縁体内(原子内)には自由電子が存在しません。なぜなら、原子核(下記では正イオンと記載しています)と電子が強く結びついているからです。ですから、電気が流れている電線に触れても、絶縁体の上からなら電気は流れないのです。
まとめ
何気なく利用している電気と電線ですが、少し深く学ぶだけでたくさんの知識に出会えましたね。もっと身近にあるさまざまな現象や製品について考えてみると、さらにあなたの世界が広がっていくことでしょう。
プロフィール
どわーふ
私立大学大学院(博士前期課程)卒業後、大手メーカー2社で電気部品の開発業務に従事。現在はとある施設で電気主任技術者として電気保安業務を担当。また、フリーライターとして「電気主任技術者が運営する就活転職応援サイト」を運営中。