電気の資格のアレコレ
電験三種の問題を見て、一緒に解いてみよう!「法規編」
電気保安をするうえで欠かせない資格「電験三種」。しかし、合格率10%前後とハードルが非常に高く、一般的には取得が難しい資格と言われています。その中でも難解な法令文が多数出題される「法規」という科目。参考書を片手にいきなり問題を読んでも、一体どこから手をつければいいのかわからない人も多いはず。そこでこの記事では、電験三種の出題形式と解答のポイントを一部、お教えします。
出題形式について
基本的には以下の3つの要素で問題が出題されます。 ・法令文×10問、文章問題×3問という形式 ・法令文の問題は穴埋め形式 ・電気保安にて重要な法令文の問題に関しては繰り返し出題される これらをクリアするには、最低でも10年前からの過去問集を繰り返し練習し、出題形式と問題の内容や傾向を把握しましょう。
丸暗記せずとも、コツをつかめば推測できる問題もある
電験三種の法令文は、もちろん電気に関する内容です。ですから、単純な丸暗記をしなくても電気に関する知識がある方なら、全体の内容から読み解くこともできるのです。何度も問題に触れ、勉強を重ねることで、「なぜそうなるのか」、法令文の内容や意味が理解できるようになります。まずは初めの一歩として、過去出題された問題を一緒に見ながら解いていきましょう。
「R2 法規 問1」の問題について
それではこちらの問題を一緒に解答していきましょう。 まずa)についてです。 a) 主任技術者は、事業用電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安の(ア)の職務を誠実に行わなければならない 与えられた選択肢は「監督」か「作業、検査等」です。冷静になってこの文章の意味を考えてみます。主任技術者は電気の責任者であり、周囲に指示をして現場の安全を守る立場であることはなんとなくでもわかりますよね。そうすれば、「監督」を選択すれば文章がしっくりくると思えるはず。 次にb)です。 b)事業用電気工作物の工事、維持及び運用に(イ)する者は、主任技術者がその保安のためにする指示に従わなければならない。 与えられた選択肢は「従事」か「関係」。まずは「事業用電気工作物」ですが、これはとても大きな電気が関わる建物や物を示します。そのため、これを工事、維持及び運用する際は、熱心に集中してお仕事をしなければなりません。そこから推測すると、ここに該当する言葉は「従事」という言葉の方がより適切であるということになります。 最後にc)についてです。 こちらについては意味を考えるというよりは暗記することが必要ですが、(ア)と(イ)を解答した時点で正解は(4)と導くことができます。
まとめ
難しい専門知識がなくても、理解できたのではないでしょうか。 今後も合格に近づくためのちょっとしたコツなどをご紹介していきます。
プロフィール
どわーふ
私立大学大学院(博士前期課程)卒業後、大手メーカー2社で電気部品の開発業務に従事。現在はとある施設で電気主任技術者として電気保安業務を担当。また、フリーライターとして「電気主任技術者が運営する就活転職応援サイト」を運営中。