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暑い夏はなぜイライラしやすいの?気温が心理に与える影響を知ろう
梅雨を乗り越えると気温がぐっと高まり、多くの人が待ち望む夏休みがやってきます。「今までできなかったことに挑戦したい」「少し遠出をしたい」など、気持ちが前向きになるイメージが強い夏ですが、一方でやる気が出なかったり、イライラしたりすることも増えるようです。今回は、夏の気温が心理に与える影響について解説します。
目次
気温や天気が与える「心への影響」
良く晴れた日や涼しく過ごしやすい日は不思議と気分が良くなるのに、曇りや雨の日に何となく気分が落ち込むようなことってないでしょうか。人によって快適に過ごせる温度は異なるものの、私たちは自分が思っている以上に気温や天気、季節などの環境から影響を受けながら過ごしています。 一般的に、20℃前後の気温が過ごしやすいと言われており、適度な気温や天気の良さは考え方を前向きにして、人間関係においても外交的になりやすい傾向があります。また、太陽の光を浴びることで、心身を安定させる働きの幸せホルモン「セロトニン」が分泌されるため、生理的にも天気の良さは心を安定させるのに効果的です。気温の低下や日照時間が短くなることで、心に不調が生じますが、気温が上がると人は活動的になりやすいのです。
猛暑は心にどのような変化をもたらす?
適度な暑さは人を活発にさせますが、気温が30度を超える酷暑になると心身にデメリットが生じます。もし、あなたが夏にだけ心の不調を感じる場合は、猛暑が影響しているかもしれません。猛暑は、次のような影響を心に与えると言われています。
① イライラしやすくなる
気温が上がりすぎるとイライラしやすくなりますが、これは、暑さによる発汗などの不快な感覚から集中力や判断力が低下することが原因だと考えられています。ほかにも、熱くなった体感温度を下げるために身体の動きがセーブされたり、エネルギーを消費したりすることで、気持ちは前向きなのに身体が思うように動かせないという葛藤からイライラにつながるとも考えられます。いずれにしろ、暑すぎる気温下では思考や行動が思うようにいかなくなるためイライラしがちになってしまうのです。
② 疲れやすくなる
気温の上昇は、疲れやすさを感じさせるだけでなく、食欲の減退や眠りにくさもまねきやすく、気疲れが起きてしまうことも。とくに猛暑は熱中症など、分かりやすい身体の不調も引き起こします。 身体の不調は心に影響を与えやすく、疲れがたまることで活動量も低下します。酷暑が続くと気付かないうちに自律神経が乱れてしまうため、「身体は元気なのに、なんだか疲れが取れない…」という人も増えるのです。
暑すぎる夏を乗り切るには
人の気持ちは自分の力だけでコントロールするには限界があります。ですから、自分にとって快適な気温を見つけ、心身ともに健康な状態を作り出しましょう。以下より、暑い夏を乗り切るヒントを2つ紹介します。
① イライラは暑さのせいだと思おう
もし、暑い日にイライラしたら、「イライラするのは暑すぎるせいだ!」と割り切ってみましょう。多くの人が、イライラややる気が出ないのは自分のせいだと思いがちですが、人の身体の仕組みを考えると、暑い日は当たり前のことです。心のメカニズムを知り、余計なイライラをなくしませんか。
② 近くに涼める環境を用意しよう
酷暑は心身の不調を招きやすくしますが、適度な暑さは人の気持ちを開放的にするため、自分で涼める環境を用意してみましょう。たとえば日かげ。暑いなと感じたら、すぐに日陰に入って身体を涼めることで、イライラを減らしたり気持ちを落ち着けたりすることができるでしょう。 とはいえ、暑さ対策として冷房で身体を冷やしすぎると、自律神経が乱れてしまいます。冷房の効いた部屋から出かける前には、冷房を切って少し時間をおいてから出るような温度調整をし、気温差には注意しましょう。
暑さを回避して、夏を心地よく過ごそう
気温が高くなる夏は、人を快活にして気持ちを高揚させる季節ですが、気温が30度を超えると心の不調をまねきやすくします。真夏日は、暑さによってイライラするものであること、そのイライラで自分を責めなくていいことを理解し、なるべく涼しい環境で過ごすことで冷静さを取り戻しましょう。
プロフィール
しあん
臨床心理士・公認心理師。国立大学院修了後、精神科クリニックや学校現場にてカウンセラーとして従事。専門領域は臨床心理学、心理アセスメント。また、心理系大学院を目指す人のために『サイコロブログ』にて情報発信中。Twitterのアカウントはこちら。
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