電気の資格のアレコレ
電験三種の合格を勝ち取ろう!「電力科目の強化書」
電験三種の試験日まであと少し。本企画では、4科目のうち、電力について近年の出題傾向をまとめました。
電力科目について
電力科目は大きく以下の4分野に分けられます。 発電(電気をつくる) 変電(電気を変成する) 送電(電気を送る) 配電(電気を配分する) そして、この大きな4分野の中で、さらに細かい分野毎に分けられています。電力科目は理論科目や機械科目とは少々異なり、知識を問う問題の割合が多く、比較的勉強の負担は低い傾向にあります。テキストをしっかり読み込み、YouTubeなどを活用して、専門用語を理解して覚えていくようにしましょう。
各分野ごとの過去問出題傾向
各分野ごとの過去問出題傾向を見てみますと、頻繁に出題される分野は、 ・電力計算 ・火力発電 ・送電 ・水力発電 ・変電所 であることが分かります。他の分野を捨てていいということではありませんが、とくによく出題される分野を重点的に取り組み、苦手を少しでもなくしていきましょう。 なお、電力科目には選択問題はありません。すべての問いに解答をしましょう。
電力科目の各分野
電力科目は、細分化すると下記の12分野になります。 各分野の出題傾向は上記で見てきた通りです。 出題されやすい分野とあまり出ない分野に分かれていますので、まずは全体を一通り取り組んだ上で、重点的に出題されやすい分野を取り組むようにしましょう。 電力科目としては、知識を問う出題が多いですが、電力計算分野は毎年かなりのボリュームで出題されますので、ここは繰り返し問題を解いて色々な計算パターンに慣れておくようにしましょう。
水力発電
水力発電は、水を高い位置から落として水車に当てて回転させることで発電します。ここでは、水力発電の基本と分類、設備、ベルヌーイの定理、水車の種類と調速機、水力発電所で出力されるエネルギー計算と揚水発電所の仕組みと計算についても知識が必要です。
火力発電
火力発電は、日本の電力の中で最も高い割合を占めている発電方式です。燃料を燃やして水を蒸気にし、その蒸気をタービンに当てて回転させることで発電します。火力発電の基本と、各設備、熱サイクル、発電電力の計算と効率などが出題されます。
原子力発電
原子力発電は、核分裂から生じる熱エネルギーを使って水を熱して蒸気を発生させ、その蒸気をタービンに当てて回転させることで発電します。ここでは、核分裂によって発生するエネルギーと原子炉とその設備について学びます。
その他の発電
自然エネルギーを活用した発電方法(太陽光発電、風力発電、地熱発電など)について学びます。
変電所
各発電所でつくられた電気は、変電所で適切な電圧や周波数に調整されて、需要地(ビルや工場、家庭など)に送られます。この項目では、変電所の役割と変電所を構成する設備について出題されます。
送電
各発電所から各変電所までや、変電所間を結ぶ線路を送電線路と言います。おもに、架空送電線路の構成や送電線に生じるさまざまな障害とその対策について出題されます。
配電
道路に設置されている電柱や、電柱に設置されている電線は普段からよく目にしていることでしょう。ここでは、架空配電線路や配電方式、配電の保護について問題が出されます。
地中電線路
空中に張ってある電線路を架空電線路と呼ぶのに対して、地中に埋めた電線路を地中電線路と呼びます。ここでは、地中電線路の種類と特徴、使用するケーブルに関する設問が出されます。
電気材料
電気分野で使用する材料には、電気を通すための導電材料、電気を絶縁するための絶縁材料、磁気的な性質を持った磁性材料がありますので、それぞれの材料の名称と特徴を覚えましょう。
電力計算
電気を送る電線路では、電圧低下や損失が必ず生じます。ここでは、電線路のでの電圧低下や損失、短絡事故が起きたときに生じる電流値などの計算方法について知識を備えておきましょう。
線路計算
ここでは、配電線路における計算方法について理解しておきましょう。
電線のゆるみ
電線は、周囲の温度によって伸びたり縮んだりします。また、風や雪の影響も受けるため、それらを考慮して安全に張る必要があります。ここでは、電線に生じる弛みの長さや支線の張力の計算方法についてしっかり理解しましょう。
プロフィール
ずーぼ
工業高校卒業後、国立大学工学部(電子系学部)を卒業、その後、国立大学院にて工学修士を取得。現在は某上場メーカーにてエンジニアとして働く。
保有資格:電験三種(理論、電力、機械科目)、危険物取扱者 乙種全類(1.2.3.4.5.6類)、毒物劇物取扱者、第2種作業環境測定士、QC検定2級、統計検定2級、情報セキュリティマネジメント試験。
現在、1人でも多くの方が当サイトを使って電験3種に合格してほしいとの思いで、「電験3種ドットコム」を運営中。