生活と電気
見た目を変えれば自分も変わる?見た目と性格の心理とは
秋は普段よりもおしゃれを楽しみたくなったり、何を着ようかと迷ったり、服装に関心が向きやすくなる季節。実は、服装には個人の無意識や性格が反映されやすい特徴があることをご存知でしょうか。本記事では色の心理学を紹介し、見た目と性格の心理について解説します。
服は心の鏡
学生だから制服を着る、社会人だからスーツを着るなど、服は個人の立場を周りに伝える役割だけでなく、自分の好みや性格、無意識を表す役割も持っています。たとえば、同じ学生服でもきちんと着こなす人もいれば、シャツを出したり、スカートを短くしたり、自分の好みに合わせて調整する人もいますよね。制服と異なり、私服は個人の性格や無意識の思いが表れやすいため、おとなしそうに見えて明るく派手な私服の人など、「人は見た目で判断できないなあ」と思ったことがある人もいるでしょう。ほかにも、 ・週末は好きな人とデートだからいつも以上に華やかな色の服を着てみよう ・クールキャラな自分にはモノトーンが落ち着く ・気分が落ちこむ日はゆったりとした部屋着で過ごそう など、意識して表現していることもあれば、自分の無意識の気持ちが服装に投影されている場合もあります。服は、私たちが思っている以上に心を映し出す鏡の役割があると言えるでしょう。
色の心理学
「天気の良い日や明るい気分のときは、色が鮮やかな服を着たい」「落ち込んでいるときは青や緑など、寒色系の色を見ると落ち着く」というように、色は普段から私たちの心に大きな影響を与えています。色の効果や特徴について大きく4つに分けて解説するので、自分の心理やファッションと照らし合わせてみてください。
暖色
おもに赤やオレンジ、黄色系が該当します。活動的になっているときに、優位になる交感神経へ影響を与える色です。エネルギッシュで元気な印象を強く与えます。 ・赤…明るい、気分の高揚、情熱的、攻撃的など ・オレンジ…陽気な・活発な、暖かさなど ・黄…元気な、フレッシュな、幼い、注意など
寒色
寒色は青や水色系を指し、人が落ちついているときに優位になる副交感神経に影響します。涼し気なイメージからも、心を穏やかにしてくれるイメージです。 ・青…知的な、爽やかな、冷たいなど ・水色…希望、自然体、現実逃避など
中性色
中性色は、暖色と寒色に属さない緑や紫などを指します。色によって、緑系は若々しさを、紫系は大人っぽさを感じます。 ・緑…集中しやすい、安らぎ、若さ、調和など ・紫…上品、神秘的、不安定、不満など
白黒
上記3色に属さない白黒系は他の色と合わせやすく、かしこまった場面で使われることが多い色です。 ・白…純粋な、清潔な、誠実な、シンプルなど ・黒…高級感、威厳、暗いなど
身に着ける物で性格も変わる
このように、色はそれぞれ心に影響を及ぼす効果や特徴を持っており、人はその時の気分に合う色を無意識に選びとっていることが多いようです。少し落ち込んでいるときは黒の服をまとって気分を重ねたり、明るい性格になりたくて暖色の服を取り入れたりするなど、服の色と自分の気持ちを重ねることを同一視と言います。活発になりたい人は暖色系、落ち着きたい人は寒色系の服や小物を身に着けると、色の特徴に合った性格を同一視しやすくなります。 地味だから白黒のファッション、子どもっぽいから黄色など明るい色の服を着るなど、人は無意識のうちに自分に合った服装をしてしまいがちです。しかし、「この色は自分に似合わないから…」と遠慮せずに、大人っぽくなりたい、自信をもちたいなど、「なりたい自分」に標準を合わせて、ファッションを楽しんでみませんか。
プロフィール
しあん
臨床心理士・公認心理師。国立大学院修了後、精神科クリニックや学校現場にてカウンセラーとして従事。専門領域は臨床心理学、心理アセスメント。また、心理系大学院を目指す人のために『サイコロブログ』にて情報発信中。Twitterのアカウントはこちら。