電気機器のしくみ
伊藤菜々さんと動画で学ぼう!その5 「電力と電力量」
今回、伊藤菜々さんと一緒に学ぶのは、「電力と電力量」について。ここでもオームの法則をしっかり活用しますので、おさらいをかねてぜひクイズにも挑戦してくださいね。
電力と電力量の関係とは
電力とは電気エネルギーが1秒間にする仕事のことをいい、電力量とは秒や分、時間など、時間単位で電流が行った仕事(エネルギー)の量ことを言います。第二種電気工事士の試験ではどのような例題が出されるのでしょうか? 伊藤菜々さんの動画を見て基本となる公式を理解し、問題を解いていきましょう。
おさらいクイズ
(1)カッコ内、(あ)と(い)にはどんな言葉が入りますか。 電力は(あ)で表し、電力の単位は(い)になります。 (2)電力を求める公式を、電流Iと抵抗Rを使って答えましょう。 (3) 8Ωの抵抗に2Aの電流が流れています。この抵抗で消費する電力を求めましょう。
(4) 上図、抵抗Rで消費する電力を求めましょう。 (5) 電力量を求める式を答えましょう。
答えとポイント
(1)あ・・P い・・W(ワット) (2)I²×R P=V×Iにオームの法則を代入して導きます。Vは(I×R)になりますので、(I×R)×I、Iの二乗×Rと表すことができるのです。 (3)32W (2)で回答した式に数字を当てはめて計算します。2の二乗×8で32Wとなります。 (4) 4V ここでもオームの法則を活用します。V=I×Rになりますので、0.5A×8Ω=4V (5)300W まずは並列回路の合成抵抗を求めます。第四回で学んだ合成抵抗の式に数字を当てはめていくと、(40×10)/(40+10)=400/50=8Ωとなります。
その後、オームの法則を利用し、8Ω×5A=40Vと並列回路(赤い部分)の電圧を計算で導きます。全体の電圧が100Vですので、Rの電圧は(100−40)で60Vになります。Pは5A×60Vで求められますので回答は300Wです。 〈別解〉全体の合成抵抗は、100V÷5A=20Ω。並列回路の合成抵抗は上記より8Ωのため、抵抗R=20-8=12Ω。P= I²×Rの公式より、Pは5×5×12=300Wでも求められます。 (5)P×T を掛けて時間当たりに使用した電力の総量を導きます。1時間当たりの電力量はWh、1秒あたりであればWsと表示します。W=P×Tにそれぞれを代入していくと、 =V×I×T =I²R×Tとなります。
まとめ
テレビを観るとき、電気をつけるとき、エアコンを使うとき、冷蔵庫で食料を冷やすとき、電子レンジで加熱をするときなど、毎日、非常に身近なところで使われている電力。電力明細にも電力と電力量の記載があります。ふとした時に、「今日はどれくらい電力を使ったかな」と想像するだけでも、面白いかもしれませんね。
プロフィール
伊藤菜々(いとう・なな)
電力系ユーチューバー(電気予報士) 上智大学経済学部経営学科卒業後、金融業界に入社。その後、再生可能エネルギーファンドに転職し、電力全面自由化に伴い新電力の立上げに関わる。2019年から独立し、現在の有限会社スタジオガルを開業。事業内容としては、①会社・サービス紹介youtubeの作成 ②電力事業の立ち上げ支援 ③電力についての研修・困った時の質問窓口 などの支援をする。実績として大手新電力での新入社員・営業部員向けの短期研修や定期研修や国立大学(広島大学)での講義、電力系の展示会やセミナー等での講師を行う。
電気業界を知らない若者世代に電力×再エネ、電力×自治体、電力×イベントなど『電力×〇〇』なニュースをわかりやすく解説したYoutubeチャンネル「電気予報士なな子のおでんき予報」を2020年4月開設し情報発信中。プライベートでも第二種電気工事士の筆記試験を独学で合格。