電気業界へ転職ガイド
転電虫・番外編 電気工事士への転職までの道のり①【決意・お金・手続き編】
いろいろな理由で自分と同じ40代で転職を考えられていらっしゃる方々、その他の年代で転職を考えておられる方々が多くいらっしゃると思います。この記事では、非正規雇用の自分が転職を決意した理由、お金や手続きなどについて、体験・経験したことを紹介していきます。
①決意 40代で転職を決意した訳
まず、自分が転職を決意した理由ですが、ハッキリ言ってありきたりな理由です。 ・非正規雇用であったため、将来の生活に不安を感じた。 ・その時就いていた仕事で、正規雇用になるチャンスがなくなった。 ・年齢的にも、今が転職する最後のチャンスだと思った。 これが転職を決意した理由です。「何だ、そんなものか」と思われる方々も多いと思います。その時に就いていた仕事は、やりがいもありましたし、好きで始めた仕事です。 ただ、非正規雇用であるため、雇用期間が終わると自動的に退職です。その後に、仕事をもらえるかというと、その保証はありません。また、正規雇用の人たちと同じ仕事をしていましたが、給料などの待遇は良くありませんでした。その仕事のために資格も取りましたが、手当が支給されることもなく、ここで、「がんばってもなかなか…」という感情の方が、仕事に対する意欲に勝ってきたのです。 しかし、その仕事だけを10数年続けてきたので、40代で転職ということに対し、本当に悩みました。
そんな時、電気工事士として働いている親戚と話をする機会がありました。その親戚は、結構有名な建物の電気工事に携わったことがあり、電気工事士の仕事の魅力を次のように語ります。 ・多くの人の生活に欠かせない仕事であり、職を失うということはほとんどない仕事であること。 ・身に付けた知識と技能は一生ものであり、職人が少なくなるこれからの時代は重宝されるということ。 そして、40代と年齢的には大変なところもあるけれども、電気工事士として働くならば、早く決断した方がいいとアドバイスしてくれたのです。もともと、体力にはある程度自信もありましたし、体を動かして働くことも好きだったので、思い切って電気工事士として働くことを決意しました。
②お金のこと 貯金していたつもりでも…
転職する時に、一番心配になるのがお金のことではないでしょうか。退職後に転職活動を行うと、一時的に仕事を失う期間が発生する場合もあります。すぐに次の仕事や職場が見つかればいいのですが、就職活動中もお金は必要です。 自分の場合、結婚もしていませんし、酒・タバコ・ギャンブルもしていなかったので、ある程度の貯金はあるし大丈夫だろうと考えていました。しかし、これがかなり甘い考えだったのです。 生活費。食費や公共料金、家賃などなど、給料をもらっている時はそんな感覚はなかったのですが、日々、食事をするたびにお金がどんどん減っていきます。それに加え、雇用保険にも加入していなかったため、お金が減るスピードはかなり早いものでした。 貯金はしていたつもりでも、1ヶ月生活したら大きく減ってしまった。貯金通帳を見た時はかなりショックでした。
また、後でも触れますが、引っ越しなどは時期的に目の玉が飛び出るような見積もりになるので(それで自分は、友人などに頼んで、引っ越しをしましたが…)、事前に情報をしっかりチェックしておきましょう。 不動産屋さんへの解約も早めに連絡しておかないと、余計な賃料を払うことになるので注意が必要です。賃貸の場合、部屋の傷や汚れなどによっては、納めていた敷金以上の請求があるので注意しておきましょう(自分はドアに大きな傷をつけてしまっていたため、結構な修繕費の請求がありました…)。 転職を考える時には、自分の1ヶ月~1年の生活にどのくらいのお金がかかるか、しっかりと把握し、しっかりと貯金しておくことが大事です。 幸い、早めに転職できたのですが、就職先が必ず早く決まるという保証はないので、お金のことについては「どうにかなるだろう」という考えは危険です。
③手続きのこと いろいろ面倒です…
転職を決意し、前の仕事を辞めてから、結構大変だったのが、各種手続きです。まあ、自分がいかに世間を知らなかったのかと思い知らされ、いい勉強にはなりましたが…。 まずは、引っ越し。転職するにあたり、引っ越しをしなければならなかったのですが、これだけでもいろいろ大変です。不動産屋さん、水道・ガス・電気、NHKなどへの連絡。郵便局への転居届の提出。中には、立ち合いが必要な手続きもあるので、その準備もしておかなければなりません。 もちろん、役所などでの転居手続きなども必要になってきます。結婚されていたり、子供さんがいるご家庭では、その他にも児童手当などの手続きもあるので、大変だと思います。
自分が一番、失敗したと思ったことは、引っ越しや前の職場の引継ぎ業務に追われて、健康保険の任意継続の手続きを忘れていたことです。健康保険の任意継続は、 資格喪失日(退職した次の日)までに【被保険者だった期間が2か月以上】あること 【資格喪失日(退職した次の日)から20日以内に手続き】すること という条件があるのですが、忙しさのあまりこれを忘れ、任意継続の手続きをしようと連絡したところ、「資格喪失から20日以内ではあるけれども、事務処理などが間に合わない」ということで、任意継続ができませんでした。 健康保険だけではなく、期限のある手続きは、事務処理の時間も考慮して早めに行動するのがベストです。前述のお金のことに絡みますが、任意継続できなかったことで、国民健康保険に切り替えなければならず、高額な保険料を払わなければなりませんでした。 転職する際には、環境が変わることが考えられます。それに伴って、いろいろな手続きがありますので、 ・事前にどのような手続きをしなければならないのか。 ・手続きに必要なものをまとめられるものはまとめて準備する。 ・その期限はいつまでなのかをしっかりチェック。 と、このようなことを気をつければ、余計な動きも必要なく、時間の浪費や出費も減らせると思います。
プロフィール
貴泉(きせん)
40歳で非正規雇用の仕事を退職。その後、職業訓練校に通い、電気工事士会社へ就職。建設現場であった面白い話や出来事、愉快な職人さんや自分の失敗談などをマンガにして、ブログ「転電虫」で掲載中。取得済の資格は、危険物取扱者(乙4類)、2級ボイラー技士、第二種電気工事士免許。第一種電気工事士試験は試験のみ合格。