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【受験の悩み】勉強中に家族や友だちにイライラしてしまうのはなぜ…?
受験勉強中、理由もなく家族や友だちにイライラする自分に気づいて、自己嫌悪に陥ってしまう。このイライラはどこからくるのでしょうか? 受験期は自分と懸命に向き合っているからこそストレスも溜まりやすいもの。
今回は、家族や友人にイライラする心理とその原因について解説します。
そのイライラには原因がある
イライラする人のなかには、イライラしてしまう理由について「なんとなく」と答える人が一定数います。しかし、その「なんとなく」にも理由があるのです。 イライラなど怒りの感情は「二次感情」と呼ばれており、本来不安や嫉妬など引き金となる一時感情が背景にあります。つまり、受験生だからといって急に人にイライラするのではなく、何かしらの原因があるということ。身近な家族や友だち相手だと、つい気を許してイライラを向けやすくなりますが、このイライラをストップするには、原因としてどんな気持ちなのかを振り返ることが重要です。
受験勉強中にイライラする理由とは
受験勉強中に家族や友だちにイライラする一時感情やその背景には何が考えられるでしょうか。「家族が口うるさい」「友だちの自慢げな態度がイヤ」など、相手に対する感情もあれば、自分の感情から八つ当たりしてしまうケースもあります。よくあるケースを紹介するので、自分に当てはまるかチェックしてみましょう。
勉強がうまくいかない不安
受験は長い戦いだからこそ、自分の思うようにいかず、不安を感じるときがあります。 ・勉強しなきゃとは思うけど続けられない ・毎日勉強しているのに成績が上がらない ・集中したいけどすぐに飽きて勉強が進まない 上記のように、「実現したいことが思うように実現できない」状況が続くと、心が焦り、気持ちを処理しきれずに、周りにそのイライラをぶつけてしまうことも。
友だちへのライバル意識
受験期の友だちはみんなライバルでもあるため無意識に見比べることも。とくに進路が同じだと周りの成績や勉強の進み具合を比較して、嫉妬や焦りを感じることもあるでしょう。また、友だちも嫉妬や焦りから八つ当たりしてくる場合もあるため、イライラに発展しやすいと言えます。
親からのプレッシャー
受験勉強中は、人から指摘されなくても緊張を感じやすい時期ですが、「もっと勉強した方がいいんじゃない?」「今の成績じゃ難しいわね」など、親から一方的な意見を言われてトゲトゲとしてしまうことも。ちょっとした一言で自分自身も追い込まれ、不安が強まったり、焦りから被害的に受け取りすぎたりすると、イライラに結びついてしまうのです。
生活リズムの乱れ
中には不安になって勉強で追い込み、生活リズムが崩れることがあります。しかし、睡眠不足が続くと気持ちに余裕がなくなり、身近な家族に八つ当たりする原因にもなります。普段の生活リズムが大幅に崩れると、普通に過ごしている家族には嫉妬を向けやすくなるかもしれません。
家族や友人にイライラしたら…
ピリピリと集中している時期に一度イライラしてしまうと、気持ちを落ち着けるのに時間を要し、人間関係の悪化や集中しづらい環境をつくる可能性もあります。身近な人にイライラした場合は受験が終わるまで関わりを控えたり、すれ違いがあるなら直接話し合ったりしてイライラへ対処しましょう。 イライラは二次的な感情であって、不安や焦りなどの一時的な感情が溜まりすぎた結果爆発する感情です。イライラ前の気持ちを考えて落ち着かせることで、受験勉強に集中しましょう。
プロフィール
しあん
臨床心理士・公認心理師。国立大学院修了後、精神科クリニックや学校現場にてカウンセラーとして従事。専門領域は臨床心理学、心理アセスメント。また、心理系大学院を目指す人のために『サイコロブログ』にて情報発信中。Twitterのアカウントはこちら。