電気業界へ転職ガイド
転電虫・番外編 電気工事士への転職までの道のり②【ハローワーク、職業訓練校編①】
前の職場の引継ぎ業務や引っ越しなども終わり、いよいよ転職(就職)活動のスタートです。
目次
まずは、ハローワークへ
電気工事士になろうと決め、転職(就職)活動のスタート。しかし、何をしていいのかさっぱりわかりません…。 前の仕事は、あまり就職活動をせずに働くことができたので、何から始めればいいのか…。とにかく、ハローワークに行くことから始めました。ハローワークでの求人票コーナーには、「電気工事士」でいくつかの会社が募集を出していましたが、「無資格・未経験OK」という会社はなかなかないものです。 そこで、ハローワークの方に相談。その時はたまたま「無資格・未経験」がなかったようですが、結構「無資格・未経験OK」の求人はあるようでした。ただ、会社側も即戦力となる人を求めているため、「有資格者・経験者」が就職活動では有利であるようです。 初めてハローワークを利用しましたが、イメージしていたよりもハローワークの方は親切・丁寧に対応してくれます。いろいろ話をしていたところ、「職業訓練校に興味はありませんか?」と言われ、パンフレットをいただきました。パンフレットの説明も丁寧にしていただき、家でもネットで職業訓練校について調べてみました。
職業訓練校への道
ハローワークの方に、職業訓練校を勧められ、いろいろ調べた結果、 ・職業訓練校にはいくつかの講座(パソコン、介護関係、物づくりが多い)がある。 ・資格取得に向けた勉強(訓練)ができる。 ・受講料は無料であること。 などが分かり、結構これが今の自分にとって良い経験になるのではないかと思い始めました。
①まずは、職業訓練校の見学(説明)会へ
ハローワークでいただいたパンフレットを読み、少しは職業訓練校のことが分かりましたが、「実際はどうなんだろう?」という気持ちは残っていました。そこで、どうせ失業中で時間はたっぷりあることだし、「百聞は一見に如かず」と、職業訓練校の見学(説明)会に行ってみることに。 見学(説明)会は、そこの職業訓練校で受講できる講座の紹介や施設見学などができます。自分が行った時には、各講座の講師の先生が講座の受講内容について説明してくださりました。パンフレットに目を通した時点では、「電気設備」のコースに行くつもりでしたが、講師の方の説明を聞いて、「ビル設備」コースに行くことに決めました。 理由は、当然ですが「電気設備」のコースは電気設備を専門に勉強しますが、「ビル設備」コースは、電気はもちろんのことですが、給排水やボイラー、危険物や消防設備などと、幅広い学習ができます。 「無資格・未経験」の自分にとって電気工事士になりたいという願望はありましたが、雇ってくれる会社があるという保証はありませんし、別の就職の道のため、いろいろな知識と技能を身につけるという方が大事ではないかと思い始めました。 電気工事士となって日が浅い自分ですが、電気工事士の仕事って、とにかく幅広い知識が必要な仕事です。今考えると、この選択は本当によかったと思える判断でした。ということで、初めは「電気設備」を選ぼうとした自分ですが、「ビル設備」コースに行くとこに決め、次の準備を進めていきました。 ・職業訓練校は、各校ごとに特色があります。そこで、見学(説明)会があれば行くことを絶対にオススメします。
②職業訓練校にも選考試験があります…。
さて、職業訓練校の「ビル設備」コースに行こうと決めた自分ですが、次にすることは「試験勉強と面接対策」です。 そうです、職業訓練校にも選考試験(筆記試験と面接)があります。「来るものは拒まず」などという甘いものではございませんでした…(当然)。勉強は嫌いではありませんが(今から資格をたくさん取らないといけない身だから、勉強が嫌いとか言える立場ではないんですけど…)、試験対策が結構やりにくいんです。というのも、職業訓練校の選考試験の過去問というのがインターネットで調べても、情報が少ないのです。なので、そこから試験傾向を分析して勉強…、とはなかなかいきません。 いろいろ調べた結果、中学校までに習う漢字や数学の問題を出題しているようだったので、ネットで中学生向けの国語や数学の問題を探して勉強を。面接の方は一応面接時のマナーなどをサッと本を読みました。
③職業訓練校の選考試験(筆記試験&面接)
いよいよ、職業訓練校の選考試験当日。時間に余裕をもって試験会場(訓練校)に到着。周りを見てみると、結構人が多かったです。人気のコースは倍率が上がるようで、自分が受講を希望している「ビル設備」コースも受験者が多く、試験前に緊張してきました。 そして、いざ試験開始。問題は、 ・国語(漢字の読み書き、反対語、文章中に適切な語句を記入する問題など) ・数学、算数(小学校で習う計算問題、方程式など) ・機械製図(三面図、投影法など) と、このような問題が出題されたのでしたが、予想外だったのが、解答方法がマークシート方式ではなく、記述式だったこと。何とか、テストの解答は終わりましたが、漢字の書き取りや数学の問題で不安なところがありました。
次に面接でしたが、こちらは1人10分程度の面接が行われました。質問内容は、 ・職業訓練校に入校を希望した理由。 ・職業訓練校でどのようなことをがんばりたいか。 ・どのような仕事に就きたいか。 と、このような内容のことを聞かれました。予想の範囲内のことだったので、そこまで緊張はせず、面接も無事に終了しました。選考試験も終わり、電車で帰る前にちょっとコーヒータイムでまったりしている時、近くに受験者の方が数名で話をされていたのですが、その内容が…、 「雇用保険に入っていないと、職業訓練の選考試験にはなかなか受からないらしい…。」 というものでした。この話は、職業訓練校のことを調べていた時にも出てきたことなので、「実際はどうなんだろう?」という気持ちはありました。
求職者支援制度について
ここで、職業訓練校の選考試験の前の話をしましょう。ハローワークで職業訓練校のことを教えていただいたときに、「求職者支援制度をご存じですか?」と聞かれました。自分は前の仕事で雇用保険に入っておらず、職業訓練校に行くことになる場合、授業料は無料であるが、テキスト代や作業服代、職業訓練校までの交通費などは自分で支払うことになると聞いていました。「求職者支援制度」についてもハローワークの方に説明をしていただいたのですが、「求職者支援制度」の1番のメリットは、月に10万ほどの給付金と、職業訓練校までの交通費の支給があるということです。その他にも、ハローワークの就職支援など受けられるというメリットもあるようです。 しかし、自分はこの「求職者支援制度」は受けませんでした。理由は、申請や審査が厳しいというイメージがあったからです。
「求職者支援制度」を受けるためには、 ・本人収入が月8万円以下 ・ 世帯全体の収入が月 25 万円以下 ・世帯全体の金融資産が 300 万円以下 ・現在住んでいるところ以外に土地・建物を所有していない ・全ての訓練実施日に出席している (やむを得ない理由がある場合でも、支給申請の対象となる各訓練期間の8割以上出席している) ・ 同世帯の中に同時にこの給付金を受給して訓練を受けている人がいない ・過去3年以内に、偽りその他不正の行為により、特定の給付金の支給を受けたことがない と、結構細かい支給要件があるようです(詳しくは厚生労働省の求職者支援制度を参考にされた方がいいです)。そのため、自分は自腹覚悟で職業訓練校に入ることを決めました。
晴れて職業訓練校に合格
職業訓練校の選考試験から数日後、1通の封筒が届きました。それは職業訓練校からの合格通知。資格の試験とは違い、「何点以上取ったら合格」という明確な線引きがなかったので不安でしたが、何とか転職活動に少し光が見えてきました。 封筒の中には、職業訓練校の入校式や制服(作業着)の採寸・購入場所などの案内などが入っていました。いよいよ、これから転職活動も本格化していきます。
まとめ
・転職を考える時には、ハローワークを活用しましょう(1人で悩むよりずっと良いです)。 ・職業訓練校の活用も転職には良いと思います。まずは、見学(説明)会に行ってみましょう。 ・雇用保険に入っていない場合、「求職者支援制度」の活用も考えてみましょう。
プロフィール
貴泉(きせん)
40歳で非正規雇用の仕事を退職。その後、職業訓練校に通い、電気工事士会社へ就職。建設現場であった面白い話や出来事、愉快な職人さんや自分の失敗談などをマンガにして、ブログ「転電虫」で掲載中。取得済の資格は、危険物取扱者(乙4類)、2級ボイラー技士、第二種電気工事士免許。第一種電気工事士試験は試験のみ合格。