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タスクを切ってもバッテリー節約にならない⁉スマホのバックグラウンドアプリを切らない方が良いワケ
新作のiPhoneに買い替えると、モデルにもよりますが10万円近くの予算が必要で、大きな出費となるため、少しでも長くスマホを使いたい人も多いでしょう。そこで、効果的な手段の一つとなるのがバッテリーの節約。あなたは、マルチタスクで溜まったバックグラウンドアプリを、何も考えずに全て切っていませんか?使い方にもよりますが、実はバッテリー節約どころか、バッテリーに負荷が掛かる場合があるのです。
バックグラウンドとは、現在選択されていない操作対象ではないアプリの可視化で、一般的にホームボタン操作で閲覧可能なものを言います。
一般的にタスクを切った方が良いと言われている理由
まず、タスクを切るのがバッテリー節約に良い理由について解説しましょう。 現状、スマホで複数のアプリを使用すると、使用後のアプリは次々とバックグラウンドに入る仕組みになっています。バックグラウンドに入ったアプリは、裏でメモリを稼働させて動作を続けるため、放置するとバッテリーが消耗します。 基本的な考え方は間違っていませんが、機能を正しく理解して適切にタスクを切らないと、特定の状況では逆効果です。
バックグラウンドで切ってよいタスクとは
バックグラウンドに入ったアプリで切っても良いタスクは、すぐ再使用しないアプリです。 使用後のアプリは、すぐにバックグラウンドから呼び戻されても良いように準備しているので、準備に対してバッテリーを消耗します。そのため、使用したアプリですぐに再使用しない場合はタスクを切ってください。 この解説は、一般的にタスクを切った方が良いと言われている理由に該当するので、逆にこのケース以外ではタスクを切らない方がバッテリーの節約になります。
バックグラウンドで切ってはいけないタスク
次に、バックグラウンドに入ったアプリで切ってはいけないタスクは、使用後にすぐ再使用するアプリと、バックグラウンドの古いタスクです。 すぐに再使用するタスクを切ってしまうと、アプリを一から起動させることになり、バッテリーが消耗します。一定時間、バックグラウンドに入れて待機させた方がバッテリーに良く、スマホにも負荷が掛かりません。そして、バックグラウンドに溜まった古いタスクも切ってはいけないタスクです。 基本的に古いタスクは、スマホがもう再使用することがないアプリとして認識し、バックグラウンドから戻す準備をやめます。 つまり、タスクを切らずにバックグラウンドに残っていてもバッテリーを消耗しないのです。むしろ、稼働していないアプリのタスクを切るための操作やディスプレイ表示に対して、バッテリーを消耗します。
バックグラウンドの本当の機能
バックグラウンドのタスク表示は、基本的にただの履歴なので、本来はタスクを切る必要がありません。しかし、一旦操作を中断して別のアプリを立ち上げた際に、バックグラウンドのタスクを全て履歴にすると、アプリをすぐ再使用した時にアプリを一から起動します。 ※例えば電子書籍アプリのkindleを読んでいる途中で、掛かってきた電話に出たのちすぐkindleを再使用する場合に、履歴になってしまうとアプリを一から起動するためバッテリーを消耗します。 バックグランドに入り、一定時間はすぐに続きから読めるようにkindleは準備をしています。 ちなみにバックグラウンド内を覗いても、履歴か準備中か判断はできません。
バックグラウンドのタスクは、マルチタスクにおけるアプリの切り替えで、バッテリーを消耗しないための機能を備えていることを覚えておいてください。ただし、一部例外のアプリがあります。通話アプリ・地図アプリ・音楽アプリは独自の仕様で、バックグラウンドに入っても履歴にならずに、裏で稼働し続けるのでご注意を。
まとめ
スマホのバッテリー消耗を抑えるため、バックグラウンドに残るタスクをとにかく切る人が多くいますが、バックグラウンドに残るタスクはただの履歴であり、使用状況にもよりますが、基本的に放置した方が結果的にはバッテリーの節約につながります。 バックグラウンドのタスク全てが裏で起動し続けている、と思い込んでいた人は無意識にタスクを切っている可能性がありますので、今からでも意識して正しくバッテリーを節約しましょう。
プロフィール
志津 良
ガジェットブロガー。
GoogleやApple製品などガジェット関連の情報を「二番煎じのガジェットブログ」にて発信。また、ガジェットを切り口にSNSや音楽などを幅広く扱ったWebメディア「weblog」も運営中。