生活と電気
【朝活のススメ】朝活は夜の8倍仕事が進む?不眠解消効果も
朝の時間を勉強やスポーツ、スキルアップなどにあてられれば、1日を有意義に過ごるかも…?
【朝活(アサカツ)】 …《「朝活動」の略》始業前の朝の時間を、勉強や趣味などの活動に当てること。平成20年(2008)ごろからの流行語。 (デジタル大辞泉より)
目次
朝活の科学的メリット
朝活すると「仕事効率」「生活リズム」、2の観点からメリットが得られることが実証されています。
①起床後2時間半~4時間は夜の8倍仕事が進む
人の脳は起床後2時間半〜4時間の時間帯にもっとも活性化するといいます。成功者の中にはこの朝の時間帯を有効活用している人物が多くみられます。
AppleのCEOであるティム・クックやスターバックスのCEO ハワード・シュルツ、そしてディズニーのCEO ロバート・アイガーらは、なんと午前4時半に起床し、仕事や個人の趣味などに有意義な時間を使います。まだほとんど誰も出社していない7時頃には、既に会社で仕事を開始しているのだとか。(「「才能」には「習慣」で勝て!成果が出なくても続けるべき理由」)
また、南オーストラリア大学のドルー・ドーソン博士の研究1では「朝15分でできる仕事が昼には30分、夜には2時間かかる」というデータも出ています。逆にいえば、朝は夜に比べて作業効率が8倍上がるということ。1日のうち、もっとも仕事効率が高まるのは朝ということです。
②朝活の不眠解消効果
「夜、布団に入ってもなかなか寝つけない」ということはありませんか。夜中の不眠で悩んでいる人にこそ、朝活は有効です。
早起きして太陽の光を浴びると、眠くなるホルモン「メラトニン」が脳内に分泌されます。しかし分泌されるタイミングは日光を浴びてから約15時間後。これを踏まえて、5時起き生活のサイクルを見てみましょう。
早起きのサイクル(5時起床の場合)
5時に起きて日光を浴びる
↓
日光を浴びてから15時間後、眠くなるホルモン「メラトニン」が分泌される
↓
20時ごろ(起床後15時間経過)、眠気を感じるようになる
↓
早寝早起きが習慣化
不眠に悩むと入眠前の行動を気にしがち。しかし私たちの体は、「早起き」をスイッチにして生活リズムが整うようにできています。朝活のための早起きで「夜寝つけない→朝起きられない」の悪循環を断ち切れるかもしれません。(「毎日のスタートを快適に!早起きには多くのメリットがあった!」)
朝型になるための3つのコツ
「朝活」には仕事のパフォーマンスが上がり、生活リズムも整うというメリットがあることがわかりました。しかし、いきなり生活習慣を変えるのは難しいものです。夜型生活から朝型生活に移行するための3つのコツをご紹介しましょう。
①日光を浴びる
生活リズムを整える効果は早起きするだけでは得られません。重要なのは「日光を浴びる」こと。カーテンを閉め切った部屋で早起きしても、体は起きたと認識してくれません。
脳の視床下部には体内時計のひとつ「マスタークロック」があります。この「マスタークロック」は太陽の光を浴びることでリセットされ、生活リズムが整います。自然に起きるためには朝日のよく差し込む部屋で眠るのがいいようです。
(「良い睡眠は良い習慣から。睡眠の質を左右する3つの「朝のリセット」とは」)
②起床時間を10〜15分ずつ調整
睡眠不足で悩む人のうち「夜更かしは楽、早起きがきつい」という人は多いでしょう。それは、体内時計の特質と関係があるためです。
体内時計には「24時間より少し長いため後ろにずれやすい」という特質があります。体内時計が後ろにずれれば眠気がくる時間帯は遅くなり、翌朝の起床時刻も遅れてしまうのです。このずれをリセットするには早起きが一番ですが、これまで7時起きだった人がいきなり5時に起きるのは無理があります。まずは起床時間を10分〜15分ずつ早め、その分就寝時刻を早くするのが現実的です。
(「夜型生活を朝型生活に変えるには?ポイントは「マスタークロック」と「サーカディアンリズム」」)
③毎日同じ時間に朝食をとる
「起床時間が不規則で朝食の時間がバラバラ」という人は要注意。「毎日同じ時間に朝食をとる」ことは目覚めの良さに関係してくるといいます。朝食によって目覚めのスイッチが入り、夜に眠くなる時間にも影響が及ぶのだとか。朝食の内容や量はさほど重要ではありません。「何を食べるか」よりも、「同じ時間に食べているか」に注意しましょう。
(「良い睡眠は良い習慣から。睡眠の質を左右する3つの「朝のリセット」とは」)
朝に疲れやすいと感じるなら「タンパク質」を食べる
食べるタイミングだけでなくメニューも工夫することで、朝食効果を最大限に引き出すことができます。
たとえば朝に疲れが出てしまう人は、朝食にキウイなどの「酸っぱい果物」をとるといいでしょう。また、体内時計のズレを直すなら「卵・納豆・乳製品」などが効果大。これらのタンパク質は体内時計のズレをリセットする効果があるといいます。
他にも朝食には代謝が上がり太りにくくなる効果、集中力を高める効果などがあります。
「日光が足りない!」冬の落とし穴
記事執筆の11月1日現在、東京都の日の出時刻は6時3分。年末になると6時50分まで太陽は昇ってきません。(国立天文台暦計算室より)
生活リズムを整えるためには「7時起床」が適しているのかもしれませんが、朝活するにはもう少し早めに起きたいもの。また、これからの時期は寒さが厳しくなります。とくに1日のうち最も気温が下がるのが夜明け近くの5時~6時。朝活をはじめるのに適した時間帯は、「もっとも布団から出たくない時間」と重なってしまうのです。最後に、季節に左右されずに朝活が成功するコツをご紹介します。
①寝起きの頭を起こす「5回だけ呼吸法」
起き抜けにはなかなか体が動かないもの。目覚めにいいとは聞いていても、ヨガやストレッチをする気力もないかもしれません。そんな時は精神科医であり僧侶でもある川野泰周氏が提唱している「5回だけ呼吸」で体を目覚めさせましょう。
5回だけ呼吸法
①左右に体をゆすり、安定するポイントを見つけてから背筋を伸ばす
②5回だけ息を吸って吐く。この時呼吸だけに意識を向ける
とくにこの方法がオススメなのは低血圧で朝に弱いタイプの人。夜の間に呼吸が早くなっている可能性が高いので、ゆっくりと呼吸するこの方法は有効です。
(脳がクリアになるマインドフルネス仕事術 ビジネスパーソンのためのマインドフルネス入門講座)
②朝活習慣化を目指すなら「快の感情」を利用する
ダイエットや勉強などと同じように、朝活も習慣化したい行動の1つ。しかし「早起きしよう!」という意志だけでは習慣化は成功しません。いい習慣を定着させるには、「快の感情」と習慣を結びつけるのが重要です。(「わかっちゃいるけどやめられない!」…習慣をコントロールできないのは潜在意識のせいだった!)
たとえば、「布団から出る」行動と「朝食に大好物を食べる」という快の感情が結びついたら。意志の力に頼らずに早起きできるかもしれません。
元記事「朝活は夜の8倍仕事が進む?不眠解消効果も|【朝活のススメ】vol.1」は2018年11月1日にBUSINESS LIFEに掲載されたものです。
朝活は夜の8倍仕事が進む?不眠解消効果も|【朝活のススメ】vol.1 | BUSINESS LIFE
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