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身の回りにあるギモンを解決!「レーザープリンタはどうやって印刷するの?」
パソコンから紙に印刷するとき、プリンタを使いますよね。レーザープリンタはトナーという粉を印刷用紙にかけて、まるで魔法のように自由自在に印刷することができますが、不思議に思ったことはないでしょうか。この記事では、レーザープリンタがどのような仕組みで印刷しているのかをイラストで詳しく解説します。
レーザープリンタの印刷工程
レーザープリンタは、おもに5つの工程に分かれて印刷しています。わかりやすくするために、黒一色のトナーを用いるモノクロレーザープリンタの例を下記の図に示しました。
①帯電 回転している感光体ユニットに高電圧をかけて、静電気を帯電させます。 ②露光 感光体ユニットにレーザーを当てて、帯電を弱めてトナーを付着させたい部分を作ります。 ③現像 レーザーを当てた部分にトナーを付着させます。 ④転写 トナーを同時に外部から送られている印刷用紙に付着させます。 この段階で用紙を取った場合、粉が紙についているだけの状態で、印刷面を手でこするとトナーがとれてしまいます。 ⑤定着 トナーの乗った印刷用紙に圧力と熱を加えて、トナーを定着させます。 レーザープリンタの印刷物が温かいのは最終工程で熱を加えるためです。
トナーは細かい粉で、粉が静電気で物にくっつくという特性を使った印刷機で1980年代に実用化されました。このような工程を経て、プリンタから印刷用紙が出てくるときには、パソコンの出力したデータやコピーで読み取ったデータが印刷された紙として出てくるのです。 レーザープリンタが一般的になる前は、インクリボンと呼ばれるインク面を印刷したい部分に圧力を加えて印刷するインパクトプリンタが主流でした。コピーはできず、文字を印刷するのみのタイプライターのようなプリンタです。インパクトプリンタよりもレーザープリンタのほうが高価ですが、レーザープリンタは印刷する速度が速く、大量印刷に向いています。
レーザープリンタの普及がアート印刷を変えた
レーザープリンタの普及により、家庭での印刷でも高精度なコピーやパソコンからの写真データなどの印刷も簡単にできるようになりました。カラープリンタを使えば写真の印刷なども手軽にできます。 こうした印刷物の高度化は、コンピュータアートなどの表現の世界にも大きな変革をもたらし、よりきれいな表現を手軽に実現するということにレーザープリンタが一役買っています。
プロフィール
西海登
本業の技術職の傍ら、webライターとして活動。小説家になりたかった過去を引きずりながらも、本業でも関わりのある技術分野の解説と経済分野を結び付ける記事を得意とする。
本業では、ビルメンテナンス業界から産業用機器の電気設計職へ移り、設備関連の保守点検から構築に関する職業を一通り経験、近年ではIoT関連の仕事にも携わり、ライターとしてもIoT分野の記事執筆の実績も増えている。2015年頃から、小説家になりたかった過去を生かせるのでは?と考え、ライティング業務をスタート。朝4時に起きて執筆活動をする日々を送っています。