身の回りにあるギモンを解決!「人感センサってなぜ人に反応するの?」

更新日:2023.04.10投稿日:2023.04.10

人の気配を感知して、スイッチを入れる人感センサが多く使われるようになりました。人間であれば、誰かがいる気配を感じ取ることができますが、電気機器はどのように検知しているのでしょうか?

人がいる状態をどうやって判別するのか?

まず、人が「そこにいる状態」とはどんなものなのかを考えてみましょう。近くで音がする、においがする、人がいることを目で確認するなど、様々な判断基準がありますよね。その中で、人がいると体温を感じることがあります。 人感センサは人がいるということを温度で感知して、スイッチを入れています。人や動物は体から熱を発していますが、熱を伝える光の一種に赤外線があります。赤外線は太陽や火などからも出ており、熱が発生する熱源から発せられています。人感センサは人間の熱から発生する光、赤外線を捉えて反応しているのです。

人感センサは常時、計測範囲の赤外線の量を計測しています。センサの前に人が来ると、体温から赤外線の量が増えますが、この時、通常時の赤外線の量と人が前に来た際の赤外線の量を比較して、赤外線量を温度差に変えて、人が来たことを認識しているのです。サーモグラフィなどの機器は、温度が高い部分は、赤外線の量が多いことで認識して赤い表示になります。人感センサはこの技術を応用して、赤外線の量の増減を見て人が前に来たのかを判断しているのです。

実は動物が来ても反応する

玄関の照明をつける人感センサは、誰もいないのに勝手に点灯しているということがあります。中には心霊現象なのかと思う人もいるかもしれませんが、人感センサの反応の仕組みが分かれば様々なケースが考えられます。 赤外線を放っているのは人だけなく動物も同じです。センサの計測範囲に動物が来ても、人が来た時と同じように赤外線の違いに反応します。照明がある玄関の前を、猫や犬が通りかかった場合にも人感センサは反応して照明を点灯させてしまうということです。人感センサと名前はついているものの、温度のあるものすべてに反応するという構造上の特性を持っています。本当の意味での人感センサは、カメラによる顔認証での反応といえますが、導入には費用が掛かります。その分、導入には安価なため、様々なシーンで活用されているのです。

プロフィール

西海登

本業の技術職の傍ら、webライターとして活動。小説家になりたかった過去を引きずりながらも、本業でも関わりのある技術分野の解説と経済分野を結び付ける記事を得意とする。

本業では、ビルメンテナンス業界から産業用機器の電気設計職へ移り、設備関連の保守点検から構築に関する職業を一通り経験、近年ではIoT関連の仕事にも携わり、ライターとしてもIoT分野の記事執筆の実績も増えている。2015年頃から、小説家になりたかった過去を生かせるのでは?と考え、ライティング業務をスタート。朝4時に起きて執筆活動をする日々を送っています。

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