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電気代はなぜ高騰しているの?電気料金の仕組み解説と今すぐできる節電術!
食料品やガソリン代など物価高騰が続いています。その中でも家計に大きな衝撃をあたえたのが「電気代」ではないでしょうか。2022年12月から2023年1月は特に値上がりが大きく、去年と比べると電気代が約2倍になったと話題になりました。その後、夏本番を前にして政府が電気代の値上げを認めるというニュースが日本全国を駆けめぐります。電気代が高騰している理由、夏からできる節電対策について解説します。
目次
電気代高騰の理由
電気代高騰の理由は、原油や天然ガスなどのエネルギー価格が高騰しているためです。エネルギー価格高騰の背景には、「ロシアとウクライナをめぐる問題」や「新型コロナウイルスによる経済停滞」などがあげられます。特に日本は、火力発電に依存している国で、資源エネルギー庁の統計(2020年)では全体の約76%が火力発電です。そのため、火力発電に使う燃料価格の高騰が電気料金の高騰につながり、私たちの家計に重くのしかかってしまうのです。
電気料金の仕組み
電気料金の仕組みの中に、電気代節約のヒントが隠されています。電気料金の内訳は「固定料金」「電力量料金」「燃料費調整額」「再生可能エネルギー発電促進賦課金」の4つです。
固定料金
固定料金は、契約プランによって決められた料金のことで、アンペア制と最低料金制があります。アンペア制は、同時使用する最大アンペアによって基本料金が変化。大家族の場合、安い価格の低アンペアで契約すると、ピーク時にブレーカーが落ちる可能性がありますが、大人数でも生活スタイルがバラバラで、電気を同時使用しないのであれば低いアンペアで契約して節約できます。 少人数の世帯であれば、20Aや30Aなど低いアンペアで契約しましょう。最低料金制は、定められたkWh数まで料金が固定です。定められたkWh数を超えると、使用した分の電力量料金が発生します。最低料金制で電気代を節約する場合は、最大アンペア容量が関係ないため、家庭で使用するkWh帯の電力量料金が重要です。
電力量料金
電力量料金は、使用した電力量に対して発生する料金で三段階に分かれています。 【例】 1段階 使用量(月間)120kWh未満 単価20円 2段階 使用量(月間)120kWh~300kWh未満 単価25円 3段階 使用量(月間)300kWh以上 単価30円 仮に1ヵ月125kWh使用するご家庭なら、節電して119kWhに抑えることで700円~800円の節約です。段階を下げることで、より大きな節約効果が得られます。
燃料費調整額
燃料費調整額は、原油や天然ガスなどの発電コストを電気料金に反映させるために用いられます。電力量料金と紐づけられて価格調整され、電気代高騰の理由で解説した通り、発電コストが高くなると電力量料金も高くなります。
再生可能エネルギー発電促進賦課金
再生可能エネルギー発電促進賦課金は、電力会社が再生可能エネルギーを買い取る際のコストを、消費者に負担させるため設けています。再エネ賦課金と呼ばれ、「使用kWh×単価」で算出。単価は全国一律になるように調整されています。
電気代高騰による日本政府の取組み
政府は、電気代高騰の対策として「電気・ガス価格激変緩和対策事業」を実施。申請のあった事業者に補助金を交付しました。補助が適用されるのは2023年1月~2023年9月の期間で、1kWhあたり7円の補助金が充てられます。ただし、2023年9月のみ1kWhあたり3.5円です。補助に関して、私たちがしなければならない手続きはありません。
電力自由化によるねじれ
2016年4月に電力が自由化されました。これまで電気料金は、国が認可する「規制料金」のみでしたが、新規事業者が電気料金を設定できる「自由料金」が誕生。新電力事業者は、電気料金を安く設定し次々と参入。これにより大手電力会社は規制料金、新電力は自由料金という構図ができました。しかし、発電コストの増加で経営が苦しくなった新電力事業者は、電気料金をどんどん上げてしまったため、規制料金を上回るねじれが発生。結果的に家計を改善しようと新電力に移行した家庭が、逆に多くの電気代を払うことになってしまったのです。
おうちで今すぐできる節電4選
夜間時間帯に電気を使用する
一般的に23時~7時までの時間帯は夜間割引が適用されます。夜間割引はどれだけ使っても、三段階電気量の単価より安くおとくです。たとえば、スマホの充電を23時以降にしたり、7時前に起床して朝ごはんの準備をしたりするだけでもかなりの節約になります。
電力会社のポイントを貯める
電力会社によりますが、電気料金の支払いや節電に応じてポイントが付与されるものもあります。電力会社のサイトでは、貯めたポイントを電気代に充てられるだけでなく、使用した電力量の履歴も確認できるため節電意識も高まるのでは。
待機電力を削減する
コンセントがささっていると、電化製品を使用しなくても電力を消費します。この待機電力は、電源タップを活用することで削減できます。直接コンセントを抜き差しすると逆に電力を消費するため、電源タップでスイッチングして節電しましょう。
LED電球を使用する
LED電球は、白熱電球と比べて消費電力が圧倒的に少ないのでおすすめです。私は65Wの白熱電球から4.5WのLED電球に変えました。急な出費となりますが、リビングなどのよく使う部屋だけでもLED電球に変えることをお勧めします。
まとめ
電気料金の仕組みは複雑で、電力会社を変更しても外的要因により先行きは不透明です。しかし、節電対策は私たちの意識にかかっています。情報収集を含めた電気への感度を高め、電気代高騰を乗り切りましょう。
プロフィール
ガジェットブロガー×webライター しず(ryo shizu)
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