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仕事で使える優先順位のつけ方〜ビジネスに活かせる心理学
目の前に仕事がありすぎて「今日も終わらなかった…」「また残業だ」と困った経験はありませんか?どれも緊急度が高い気がして結果的に仕事が終わらなかったり、残業が増えたりすることもあるのでは。今回は、ビジネスに役立つ心理学“優先順位”について解説します。
目次
優先順位をつけられない原因とは
優先順位をつけられない背景はさまざまですが、「先延ばし癖」と「不必要な焦り」が原因のひとつとして考えられます。とくにビジネスシーンでは、“単純緊急性効果”の影響が大きいでしょう。単純緊急性効果は、簡単に説明すると「締切のあるものを早く終わらせよう」と優先する現象のことです。 締切の近いタスクの重要度が低かったとしても、「時間制限がある=すぐにやらないといけない」と考え、先に終わらせようとしてしまうのです。締切としての緊急度は高いかもしれませんが、実は今日じゃなくてもよかった…という場合も少なくはありません。では、さっそく仕事で使える優先順位のつけ方について解説していきましょう。
仕事の優先順位をつける方法
①マトリクス表で緊急度と重要度をわける
優先順位をつける方法でもっとも有名なのが、マトリクス表でう。縦横軸でやることを4つの領域に整理します。 <第1領域:緊急度(高)・重要度(高)> 明日までに提出する書類や時間が決まっている顧客対応、クレーム対応など何よりも先に取り組まなければならないものなどが当てはまります。 <第2領域:緊急度(低)・重要度(高)> 人事育成やマニュアル作成・修正、中長期的な計画、締切が数日先の案件など。今日中にやらなくてもいいけど、少しずつ手をつけられると今後のためになるものが当てはまります。 <第3領域:緊急度(高)・重要度(低)> 伝票やデータ整理、システムの修正、重要ではない定例会議やメールの返信など。早めにやれた方が楽だけど、そこまで重要度は高くないものが当てはまります。 <第4領域:緊急度(低)・重要度(低)> 利益にならない時間の消費となる仕事、データ化など機会に任せられるもの、何もしない時間や長時間にわたる休憩、噂話など。なくしても問題ないものが当てはまります。 ただし「休憩なし」「コミュニケーションなし」に仕事しましょうということではありません。集中力や作業効率アップのためにも、適度に小休憩をとることも忘れないでくださいね。
②やらないことリストをつくる
マトリクス表は使える方法ですが、みんなに使える万能な方法ではありません。 そこでおすすめなのは「やらないことリスト」です。たとえば、「月●時間は残業しない」「午前中は緊急度の高いメール以外返信しない」など、自分の心身の負担になりそうなことを減らしていきます。 一度、自分の業務を細かくリスト化してやらなくても大丈夫なことを探し、試してみましょう!
余裕のあるスケジュールを組む
単純緊急性効果の影響が最も出るのは「急に頼まれごとをしたとき」です。 たとえば、「これ、お願いね」と何かしらの業務を急に振られた経験はありませんか?そのとき、「頼まれたことだから、早くやらないと」の方程式を作りやすくしてしまうのです。 とくにやるべきタスクが多い場合、頼まれたことを優先してほかの優先順位が乱れてしまうことも。 日頃から余裕のあるスケジュールを組むことは、急な仕事が入ったときも「どれが緊急度と重要度が高いか」を見極める時間の余裕を作ることにもつながります。また、余裕を作れれば①のマトリクス表の第2~3領域の時間をつくることもできるのでおすすめですよ。
今の業務を整理することからはじめよう
今回のポイントを実行する前に、まずは業務を整理しましょう。コツは細かく書き出すことです。 同じ伝票整理やデータ入力でも取引先や部署によって工程は異なりますが、細かな動きも整理しておくことで、優先順位をつけやすくなりますよ!その際、所要時間を測るのもおすすめです。
プロフィール
いけやさき
臨床心理士・公認心理師。大学院修了後、病院やクリニック、療育現場などでカウンセラーとして勤務。3年前からオンラインにて、主に20〜40代女性の自己理解・仕事・恋愛などに関するカウンセリングを行いながら、webライターとしても活動中。Instagramのアカウントはこちら