知って得する!第二種電気工事士の計算問題攻略のポイント

更新日:2024.02.21投稿日:2024.02.21

「計算問題が苦手」という人もご安心を。電気工事士の資格取得試験で出題される計算問題にはいくつかパターンがあり、ポイントさえ抑えれば攻略することができるのです。この記事では、重要な攻略ポイントを3つお伝えします。

第二種電気工事士学科試験の計算問題の種類

学科試験では、6~10問の計算問題が出題されます。受験者の中には計算問題が苦手という方も少なくありませんが、過去問題を何回か解いていくといくつかのパターンが見えてきます。電気工事士試験では計算機や計算尺等の使用は禁止されていますが、裏を返すと、計算機が使用できない=複雑な計算問題はなく、暗算か手計算で解答が求められる問題しか出題されないということです。なお、第二種電気工事士の学科試験では√2、√3やπなど、計算に必要な値は問題用紙等に記載されています(CBT方式でも画面上で確認できます)。 計算問題の出題傾向は次のとおりです。 ①抵抗の直列接続と並列接続の合成抵抗(全体の抵抗値)を求める問題、または、合成抵抗とオームの法 則を組み合わせた問題 ②電線の抵抗の求め方、計算式の説明、又は太さの異なる電線の抵抗値の違いなどの問題 ③抵抗で消費される電力に関する問題 ④単相交流回路における、電力および力率、電圧降下等に関する問題 ⑤三相交流回路における、電力および力率、電圧降下等に関する問題 広範囲で一見難しそうに見えますが、実はいくつかの公式を覚えると解ける問題がほとんど。条件として提示される、抵抗、電圧、電流などの値も毎年ほぼ同じような値を使用した問題ですし、出題された回路図を見ると複雑な計算をせずに解けるような問題も何回も出題されています。 分野ごとでは、①~③は直流回路、④は交流回路、⑤は三相交流回路です。難易度は 直流回路<交流回路<三相交流回路になりますが、パターンを覚えておくと解ける問題も多いため、分野問わず解ける問題を増やすことが合格への近道です。

実際の計算問題に触れてみよう

令和5年上期午前の問1の問題は以下のとおりでした。出題傾向でいうと①「直流回路」です。

この問題で必要な知識は次の通りです。

やや難しく思えるかもしれませんが、ルールさえ理解できれば答えが出しやすい問題が出題されますので、とにかく解答に必要なルールや公式を覚えることが正解のコツです。 それでは、上のルールをもとに問題を解いてみましょう。

以上が正攻法の解き方ですが、実はこの手の問題には裏技があります。

近年では、令和4年上期午後問1、令和3年上期午前問1、2019年上期(回路変形)で出題されています。併せて覚えておくと、簡単に解くことができます。

計算問題攻略のポイント

覚える知識量はそれほど多くありません。また、出題される問題もほぼ同じ文章・数値の問題が何回も出題されており過去問題を解いていくと解答方法が見えてきます。ポイントは次の3つです。

①問題を解くために必要な知識(武器)を手に入れる 問題を解くことはゲームをすることと似ています。この試験を必要な武器を身につけ、敵を攻略していくゲームと考えましょう。電気工事士試験の問題は、今まで述べてきたようにパターン化されていて、必要な知識も決まっています。すなわち、武器の種類もある程度決まっているので、それをひとつでも多く手に入れましょう。 ②パターンで解ける問題を優先し、必要な知識と解き方を攻略する 電気工事士は過去問から同じような問題が出題されることも多く、パターンで解くことができます。 もちろん予想外のものもありますが、できるだけパターン問題を優先し、確実に解ける問題を増やすことが得点するカギです。 ③すべての問題に対応しようとせず、解ける問題を増やしていく パターン問題でも難易度の高いものは含まれます。よって、自分で解けるもの、理解しやすいものを優先して確実に解けるようにし、その数を試験までに増やしていくことをオススメします。

まとめ

計算問題は一見難しそうにみえますが、過去問を研究し、解ける問題を増やしていけば計算が苦手な方でも対応できます。一つひとつできる問題が増えていく過程を楽しみながら、計算問題を解いていってくださいね。

プロフィール

TAC電気工事士講座 三原 政次(みはら まさじ)講師

1950年鹿児島県生まれ。東芝テクノネットワーク(株)を経て「オフィスみはら」として電気工事や家電製品についての講師業を開設。現在は大学非常勤講師、企業講師としても活躍中。

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