電気機器のしくみ
電気石と電気の関係って? 特徴や電気を帯びるしくみとは
「電気」という名前がついた石があることをご存知でしょうか。 青や緑、ピンクなど、多彩な色を持つ鉱物の中に、実は「電気石」というステキな名前を持つ宝石が存在するのです。なぜ電気石というのか、その特徴や魅力に迫ります。
電気石とは
電気石は、一般的に「トルマリン」と呼ばれる鉱物グループの総称で、おもにブラジルやイスラエル、アメリカなどの鉱山で採取されます。ケイ酸塩鉱物のグループに属し、結晶部分に熱を与えたり、圧力を与えたりすることで電気を帯びるため、電気石とも呼ばれているのです。大きな圧力を掛けると、マイナスイオンが発生することがわかっています。
赤、青、黄色、緑、オレンジ、紫、ピンクなど、多彩な色味がとても美しい魅力的な石で、色によって正式名称が異なります。化学式は「XY3Al6(BO3)3SiO18(O,OH,F)4」と非常に長い式ですが、電気石の種類によって式は異なり、比重は3〜3.25です。電気を帯びる状態は他に類を見ない非常に珍しい現象ですが、発生する電気は非常に小さく、何かしらの影響を与えるものではありません。
「電気石」が電気を帯びるしくみ
電気石は、結晶それぞれにプラスとマイナスの電極が備わっており、つねにプラスとマイナスを電子が行き来しています。この状態で発生する電子の動きは永久的に続く性質になっています。
熱を加えるとプラスとマイナスに帯電しますが、これを「集電性」と呼び、電気石に圧力を加えると帯電する事を「ピエゾ電気」と呼びます。圧力や熱を加えると、結晶の非対称性と呼ばれる現象が発生します。発生する電気量自体は非常に少ないですが、このように電気を発生させる鉱物はさまざまなものづくりに応用できるのではないかと。いま注目を集めているのです。
今後は地震予知にも活用できる…かもしれない
電気石に圧力を加えると電気を帯びるということは、鉱山に埋まっている状態でも、同じように圧力を加えると電気を帯びるということです。電気石が埋まっている地盤に強力な力――つまり地震が発生したときも、同様に電気石には電気が帯電されるため、この電気の値を活用することで、地震の予知に活用しようと、現在、研究が進められています。
地震大国である日本、研究が進み、いつ・どこで大きな地震が起きるかがわかれば、被害を抑えることができるようになるかもしれません。