ゲリラ豪雨と雷から身を守る!雷が発生する原因と対処方法を解説

更新日:2024.09.09投稿日:2024.09.05

「さっきまで晴天だったのに、急に雲がでて雷が鳴りはじめた」
大気が不安定になると、局所的なゲリラ豪雨が発生しますが、その際に落雷も伴います。今回はそんな雷発生の仕組みや雷の活用法、急な雷の対処法など解説していきます。

雷の仕組み

雷が発生するしくみは割とシンプルで、私たちの生活に身近な「静電気」の集合体がその正体です。

空には沢山の雲がありますが、それは主に海や地上にある水分が蒸発し、上昇気流に乗って空に集まったもの。蒸発した水分には、地上の細かいチリやゴミを含まれ、そこに水蒸気が集まるのです。

さらに上空は温度が低いため、この水蒸気が氷になったり、水蒸気のままのものが集まったりして雲になります。この氷が時間の経過と共に大きく、重くなり、上昇してきた水分が今度は落下します。この時に大きな氷は下降して、小さな氷は上昇し続けますが、その過程で氷同士がぶつかり、静電気が発生するのです。この静電気は、雲の中で蓄積されて行きます。

厳密に言うと、大きな氷側にはマイナスの電荷が溜まり、小さな氷にはプラスの電荷が溜まります。このマイナスの電荷がポイント。地球の地面はプラスの電荷となっており、雲の中で集まり切れなくなった雷を逃がすためにプラスの電荷である地面に落下します。

これが「落雷」です。下敷きを頭の上でこすると髪の毛が下敷きに引っ付きますが、これは静電気によって、プラスの電荷からマイナスの電荷に引き寄せられることで起こります。つまり、プラス側からマイナス側に引き寄せられる性質があることで、このような現象が起こるのです。

雷は電力として活用できる?

雷の電圧は大きさによって異なりますが、概ね1億ボルトと言われています。私たちの生活で主に使用する電圧は一般的に100ボルト、工場などでも200ボルト程度なので、いかに膨大な電圧かが分かると思います。

この電力は活用できないの?と思う方も多いかと思いますが、現状それは難しいとされています。雷だけであれば可能性があるかもしれませんが、利用する際は雷と一緒に膨大な熱も発生し、場所によっては30,000℃にもなることも。太陽の表面温度6,000℃より遥かに高く、火傷どころではすみません。

また、雷が発生する場所を特定できればいいのですが、比較的発生しやすいと言われている場所はあっても、確実に落ちる場所までは特定が難しいのです。

仮に雷を充電する設備を設置しようにも、膨大な電力と熱に耐えられる必要があり、とても現実的ではありません。

今、研究が進められているものが、ドローンを活用する方法で、雷が発生している雲の近くにドローンを飛ばし、地上へ落雷する前にドローンに雷を落とすというもの。落雷の被害を防ぎながら、雷の電力を導線などで地上に送り帯電しようという試みが進められているのです。
雷を膨大な電力として蓄え、有効活用する事ことを目的にこの研究が進められています。

雷を見かけたら…早急に建物の中へ!

雷が発生したら、「ピカピカッ」と周りが光り、ゴロゴロと音がしますが、この段階で鉄筋コンクリートの建物内に避難することが安全を守る方法です。

遠くで聞こえたとしても、雷の範囲は数十キロ範囲とされているので、たとえ車で1時間ほどの場所であってもすぐに近くへ落雷する可能性は十分にあります。屋外でも特に危険な場所は、グラウンドなどの平地と海などの海岸です。

雷は高い所に落ちる性質がありますが、周りに何もない平地や海などは、それだけで人体に向かって落ちてくる可能性が高くなります。そうした場所で雨が降っていたら、傘を差しますが、傘に落雷する可能性があるため非常に危険です。

建物内や車内は雷が落ちても、壁をつたって地面に流れるため被害を受けることはありません。しかし、実際に雷が落ちると、火事などの二次災害につながる恐れがあるので注意が必要です。

避雷針はどんな役割がある?

雷が高いところに落ちる性質を利用して、意図的に雷を落とす設備が「避雷針」です。
20m以上の大きな建物では設置が義務付けられています。避雷針は、接続した銅線などを経由して地面に逃がす設計になっており、避雷針のある建物は普通の建物より、比較的安全と言えるでしょう。

地震は急に発生しますが、雷はある程度予測ができるので、まずは避雷針がある建物にすぐに逃げる事が雷の対処法として現在最適な手段となっています。

まとめ

ゲリラ豪雨の際に、雷鳴が発生した場合はまず、自分の身を守ることを最優先に行動しましょう。いつの日か、雷の電力を蓄電できる仕組みが構築されれば、電力不足をカバーできる日がくるかもしれません。難しいとされていた雷の活用術がこれからも進んでいく今後の未来には期待していきたいですね。

この記事をシェアする:

Twitterでシェア Facebookでシェア LINEでシェア

一覧に戻る

関連のある記事

  • レモンが電池になる?レモン電池の仕組みや活用法を解説します

    COLUMN

    レモンが電池になる?レモン電池の仕組みや活用法を解説します

    2024.08.27

  • 電気は移動の未来も変える〜電気自動車や電気で動く乗りもの

    COLUMN

    電気は移動の未来も変える〜電気自動車や電気で動く乗りもの

    2024.07.25

  • 【デンキな心理テスト】この春にはじめるといいことは?

    COLUMN

    【デンキな心理テスト】この春にはじめるといいことは?

    2024.02.26

  • 【デンキな心理テスト】あなたのストレス度は何%?

    COLUMN

    【デンキな心理テスト】あなたのストレス度は何%?

    2024.02.24

  • 勉強の際にやる気を出す方法は…? モチベーションを高める心理学

    COLUMN

    勉強の際にやる気を出す方法は…? モチベーションを高める心理学

    2024.01.16

  • 仕事で使える優先順位のつけ方〜ビジネスに活かせる心理学

    COLUMN

    仕事で使える優先順位のつけ方〜ビジネスに活かせる心理学

    2023.09.28