生活と電気
【おもしろい発電方法 2】コーラが電池になる?その仕組みとは
以前、レモンを使って電気を発生させるレモン電池の紹介をしましたが、レモン以外の食べ物でも実は電気を作ることができます。そのひとつが「コーラ」です。
今回はコーラ電池の仕組みや簡単な電気発生装置の作り方、コーラ電池による取り組みについて解説します。
コーラ電池のしくみとは
コーラの中にはブドウ糖、別名グルコースと呼ばれる甘味料が入っています。ブドウ糖が酸素還元反応によって分解される過程で電子や水素イオンを放出します。これは負極側に集まりますが、対極である正極を媒体の中に入れると電子が流れて電気が流れる仕組みです。
この工程は、実は人間の体内で起こる現象と酷似しており、コカコーラ電池は、食べ物を食べた時に体の中で分解されてエネルギーになる原理を利用した電池となります。「バイオ燃料電池」とも呼ばれており、従来の電気を生成する原子力発電や火力発電などと比較すると非常に環境に優しい電力です。
ちなみに食塩水は電解質のため電気が流れますが、砂糖水は電解質ではないため電気は流れません。ブドウ糖は砂糖と似ていますが、生成する過程が異なり、砂糖はさとうきびを原料としていますが、ブドウ糖はショ糖が加水分解される過程で生成される物質となり同じ甘味を感じる物質ですが本質は異なります。
コーラ電池のつくりかた
以前ご紹介したレモン電池と同じ仕組みでコーラ電池も作ることができます。レモン電池は直接レモンに亜鉛板や銅板を挿しますが、コーラは液体のためコップにコーラを注いで割り箸などで亜鉛板と銅板を固定し、その先に電球を付けます。
レモン電池と比較すると電気の生成量が少ないので、場合によってはなかなか電気が点かないかもしれません。
また、サイダーなどの飲み物にもブドウ糖が使われており、同様に電気を生成する事ができますので、色々試してみましょう。ただし、コーラ電池に使用したコーラは絶対に飲んではいけません。
コーラ電池のこれから
大手企業のソニーが、コーラを使用したハイブリッド燃料電池システムを開発しています。展示会にてコーラを一滴垂らし、勢いよくモーターを回すことを証明し、バイオ燃料電池の可能性を紹介しました。2007年時点でウォークマンの燃料電池を開発し、現段階では、大きな電力を賄う事ができませんが、近い将来一般的に普及されることになれば、コーラが貴重な電力確保の救世主になる時代もくるかもしれませんね。