生活と電気
【おもしろい発電方法3】SDGs!なうどんで発電する方法

毎日私たちが食べる食材のうち、約5~10%が廃棄されていると言われており(この数値はあくまでも平均値であり、地域や環境によって変動します)、もったいない運動の一環として「フードロス対策」が行われています。
その一つとして、廃棄食材を何かに活用できないかと考えられたのが、香川県の「うどんまるごと循環プロジェクト」です。
香川県と言えば…「うどん!」
香川県と聞くと、最初に思い浮かぶのが「讃岐うどん」ではないでしょうか。香川県は全国的に見ても比較的雨が少ない地域であり、小麦の生産に適している気候が特徴です。香川県近海ではいわしが良く獲れるので、加工された「いりこ」の生産も盛んで、塩や醤油の生産量が多いことでも知られています。
つまり、香川県内で讃岐うどんを作る上で必要なものが全て揃うので、それが県民食になった理由だとか。しかし、そんな県民に愛されている讃岐うどんも、廃棄量が増えつつあると言います。讃岐うどんの特徴でもあるコシが時間の経過と共に無くなりますが、この“コシ”を求めている人が多い傾向があるため、時間が経過したうどんを廃棄せざるを得ないからです。

廃棄するうどんを活用しよう!
そこで、廃棄するうどんを何とか活用できないかと考え生まれたのが「うどんまるごと循環プロジェクト」です。廃棄するうどんやその他廃棄される食材をタンクなどに入れて、37℃付近で食材は徐々に発酵していくと、その過程で「メタンガス」が発生します。このメタンガスを燃やすことで、なんと発電させることができるのだとか。
廃棄するうどんが電気に変わるなんて驚きですが、本来捨てて終わりの食材を有効活用しながら、年間約180,000kWの発電に成功しました。さらに、温室効果ガスの削減にもつながるという、環境にも優しい取り組みなのです。このような発電方法を「バイオマス発電」と呼びます。
また、発電後に残った最後の廃材は肥料に活用できます。讃岐うどんのベースとなる小麦を作る段階の肥料へと変えることで、うまく循環させているのです!

まとめ
廃棄するものを活用して発電できる今回の取り組みは、まさに地球環境を守る発電方法です。素晴らしい取り組みが進められている一方で、日々、大量の食材が捨てられています。一人ひとりが少しの意識を変えることが現状を変える一歩になります。みんなでフードロスに取り組んでいきましょう。