その情熱が街を明るく照らす。電気工事士の「新3K」を体現する株式会社くれよんの魅力に迫る!

更新日:2025.03.31投稿日:2025.03.26

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電気工事業をイケてる仕事にする。
今までの「きつい・汚い・危険」から、「カッコイイ・稼げる・変えられる」の新3Kを提唱し、それを体現している株式会社くれよんさま。後編では代表の稲田さまに今後取り組んでいきたいこと、そして業界を通して伝えたいことを伺いました。

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「業界に革命を起こす!」株式会社くれよんの稲田さんが異業種から電気工事の道に進んだワケ

電気工事界で異彩を放ち、電気工事業界に変革を起こそうと奮闘している企業があります。それが株式会社くれよんです。代表を務める稲田弘樹さんの前職はIT系の企業…

平均年齢は28.2歳。ビジョンマップがあることで採用力がアップした

――株式会社くれよんで働いているのはどんな方が多いですか?

20代から70代までの幅広い年齢層の職人が揃い、尚且つ、若手の電気工事士が多いことでしょうか。その分、課題も多いですけど。将来の期待値を買って入社してくれる人が多いのでありがたいですね。「大阪 電気工事」でトップページに表示されることもあり、ホームページをしっかり読み込んでエントリーする人もいますし、求人サイトから問い合わせをいただくこともありますが、面接の際にどこに魅力を感じたのかを聞くと、くれよんが独自で作った「VISION MAP」に共感したから」という意見が非常に多いんです。

――電気工事関係の会社様で「VISION MAP」を作成されているケースは見たことがありません。

電気工事業ではめずらしい、完成された「VISION MAP」。

会社を立ち上げて6期目の時に、「このままではいけない」と、会社への危機感を強く感じたんですね。表面上は会社だけど、会社じゃない。組織として一体になり、会社として成長を続けていかねばならないのに…。会社をさらに拡大していくには、思いや目標、理念を言語化して組織の土台となる経営理念をつくる必要がある。そこで、とある会社さんへ依頼し、10ヶ月ほど時間を注いで作成しました。それはくれよんにとって、非常に大きな投資でもありました。

僕個人は、それと同じタイミングでXへの投稿をスタート。情報発信には、ブログやインスタなど、色んな手段がありますが、思いを文字に起こすこと−―言語化する練習として始めたんです。たとえば、会社の魅力について問われた時、日頃から言語化する習慣がないと伝えきれませんよね。2021年から初めて現在に至るまで、毎日投稿を続けています。

稲田さんの思い、メッセージを発信しているXアカウント

Xや「VISION MAP」を通して、自分の思いや目指している姿を表に出せるようになった頃から、僕らに共感して入社する人が増えました。思いを言葉にして伝えることって大事なんやなと、改めて実感しましたね。

3年ほど前に入社した20代中盤の社員は、ホームページを片っ端から読み込んで応募してくれたんですが、めちゃくちゃ頑張っていて、しっかり成績も出しています。入社前から独立したいと言う意思を聞いていましたが、今後、何をどうしていきたいのかと言う本人の意思を共有してもらって、「それをうちの会社で達成できる方向を目指そうよ。」と声をかけたんです。もちろん、いなくなったら困ると言うのもあるんですが、せっかく熱い思いを胸に入社して、ここまで頑張ってくれているので、彼の思いを会社でなんとか実現したいと思った。そうしたら、独立をやめてこの会社にかけてみます!と言ってくれて。大事なのは、思いと思いがつながっていくこと。それがどんどん伝播していければ、ビジョンマップや理念がより深く浸透し、くれよんと言う会社が確立していくんじゃないか。僕はそう考えています。

世代を超えて、チームは一つになる。

理念共有、共感性、そこにアプローチできている採用力は弊社の強みです。山口県から覚悟を決めて単身で上阪へ来た人、大手企業の管理職から職人になりたいと入社した人…一人ひとりにストーリーがありますが、共通して言えるのはみんな真面目で優しいこと。僕自身が「人間力×技術力」を大事にしているので、それぞれの色を持ちつつも、情熱を持った人が集まっているんです。

ごはんやお風呂、趣味…時間を共有することでチームの結束が強くなる

――今後、会社として取り組んでいきたいのはどんなことでしょう。

まずは組織づくり。現場仕事なので役職というものは基本的にないんですけど、まずはその常識を変えていきたいなと思っています。あと、人材育成にも力を入れていきたいですね。人それぞれスキルや強み、考え方が異なりますし、現場もその都度違いますので、これといったカリキュラムのパッケージが作りづらいんです。お客さんとしては、プロに仕事を依頼しているわけだから、現場で教育するわけにもいかないでしょう。そこの乖離が大きいのも課題ですね。そのため、社内の教育制度を確立させていきたいと考えています。勉強会をいくらやっても、それが現場で通用するとは限らないし、現場のことは現場で学ぶ方がいいですから。

利益の追求と教育は反比例するものですから、どこまで教育予算がつけられるかも考えていかなくてはならない。あとは、現場でトッププレイヤーになれる人は多くてもマネジメントできる人は少ないので、社内で意識改革していく必要があると思っています。

社内は“くれよん”のようにカラフルで個性豊かな照明器具がずらり。

あと、自分の夢というか、やってみたいことが3つあって。
一つがごはん。給食のおばちゃんがいて、毎日栄養バランスを考えたごはんを作って、一緒に食べる時間ができればいいなと。ごはんって、人がコミュニケーションをとるときに欠かせないものじゃないですか。同じ釜の飯を食う、じゃないですけど。職人って体が資本なので、長く健康でいてもらうためにも食べるものは大事だし、一緒に食べる時間も大事にしたい。それに加えて、フィットネスも取り入れたいですね。トレーニングは自己肯定感を上げるし、前向きになる姿勢がつきやすい。頑張る自分と向き合うので、体だけでなく、メンタルも強くなるんじゃないかと。

二つ目がお風呂。僕が学生時代の頃は、よく友だちと銭湯に行っていたんですよ。一緒に風呂に浸かりながら、他愛ない会話をする。風呂の中だからこそ話せることって、ありませんか?そういう瞬間を大切にしたいんです。それに現場から汚れて帰ってきますし、心も体もさっぱりリフレッシュできる場所があればいいなって。

三つ目が趣味の共有。趣味部屋みたいなものを作って、仕事外の時間を共有できるようにしたい。それが互いに深く関わっていくきっかけにもなりますし、仲間意識も生まれ、チーム力の強化にもつながっていくと思うんです。これら全てが実現したら、もっと楽しくなるし、良い会社になっていくと思うんですよね。

普段は見えないけど…あなたの生活の裏側に電気工事士の仕事の全てが詰まっている

――稲田様はご自身を客観的にみてどんな方だと思いますか?

良い意味で諦めが悪くて、自分の思いに突き進んでいて、熱中し続ける人。とにかく興味があることにはしぶとい。たとえば先述した「VISION MAP」。コストもアホみたいにかかるし、社内でもすごく反対されたんですよ。それでも、長期的な視点でものごとを考えると、絶対にやる意義があると思ったので、何度も説明をしました。納得していない社員には、「わからんかったらついて来い。2〜3年経って、何も変わらへんかったら辞めてもええ」と伝え、そのまま実行しました。結果、この「VISION MAP」を見て入社する人も増えましたし、何より入社する人の質が大きく変わった。それによってみんなの意識も変わってきているんですよ。

とにかく熱くて、自分で言うのもなんですけど、いいやつではあるんです。人が好きだし、人を信用しているんですよね。

――そんな稲田さんはどんな人と働きたいですか?

仲間がいるから頑張れる!

僕の採用軸は僕の好きな人。この人とだったら一緒に仕事をしていけそうだと、わりと自分の直感を大事にしているかもしれません。経歴はほとんど見ない。思いがあってきてくれる人は、成長も早いんです。技術はがんばれば身につきますが、思いは最初から植え付けることができないので、人としてのベースをよく見て採用をしていますね。

みんながビジョンを共有して、前を見て進んでくれることも大事ですし、居心地のいい会社づくりをして楽しく仕事をしてほしい。仲がいい部活の延長じゃないですけど、しんどい時も力を合わせて乗り越えていこうよっていう人間関係ができることが理想。決して楽な仕事ではないですが、仲間がいれば乗り越えることができる。ただ、和気藹々としていても一回戦で負けるようなチームではいけない。仕事なので成果を出さなければ潰れてしまうでしょう。結果を出すには?勝つには何が必要か?そういう話し合いができるチームにしていきたいですね。

――最後に、ワットマガジンの読者へメッセージをお願いします。

見えないからといって一切手を抜かない。ここに電気工事士の仕事の全てが詰まっている。

電気工事という職人の仕事を少しでも知ってほしいなと。生活の身近な場所の裏側を支えているのがわたしたちです。携帯の充電器も、家電も、部屋の灯りも、全て電気が使えるのは電気工事士がいるからです。配線は「見えない美学」。天井の裏側って普通は見ないですよね。でも、そこに僕らの仕事が詰まっているんです。

綺麗な夜景を見ると癒されたり、感動したりしますよね。あの夜景を作っているのは僕らです。表に出る仕事ではありませんが、必ず必要な電気が使えるように、いつもどこかで頑張っています。ですから、現場の人間を見かけたら「お疲れさま」と声をかけていただけると嬉しいですし、この先もずっとなくならない仕事ですので、少しでも興味を持っていただけると嬉しいですね。

プロフィール

稲田弘樹
株式会社くれよん代表取締役 CEO
小学校の頃からプロ野球選手を目指し、高校まで野球を続ける。高校卒業後は、SEやプログラマーになるためにIT関連の会社に就職し、1年半で個人事業主として起業。起業から3年後に電気工事の世界に触れ、副業で始めた電気工事が現在の本業になる。27歳の時に電気工事会社を設立。未経験で踏み入れた電気工事の業界は苦悩の連続で、2期目に1700万円もの赤字を抱え、一念発起して現在に至る。現在21名(2025年4月時点)の職人を抱えており、平均年齢は28.2歳。

企業公式さいとはこちら
稲田さんのXアカウントはこちら

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