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初心者向けに簡単解説!電気の専門用語一覧集
電気業界では感電や漏電のように、日常生活の中で誰もが聞いたことのある専門用語だけでなく、実際に現場で仕事するとさまざまな専門用語が飛び交います。この記事では、電気にまつわる多様な専門用語を初心者の方でも分かりやすくご紹介します。
【基礎知識】電気の専門用語一覧集
まずは、日常の中で誰もが聞いたことのある専門用語と現場で点検する際に基礎知識として扱われる電気の専門用語から解説します。
トラッキング現象
長期間使用されていないコンセントとプラグの間には埃が溜まりますが、それが湿気を帯びるとコンセントとプラグの間に微小の電流が流れ発火します。この現象は「トラッキング現象」と呼ばれ、最悪の場合、火災を引き起こします。こまめにコンセントを抜いて、乾いた布で埃を取り除くと防げるので、現場で点検する際には注意しましょう。
キュービクル
変圧器やコンデンサなどの電気機器を金属製の箱に収めたものです。語源はキューブ【箱】から来ています。高圧(一般的に6,600V)の電圧を施設内に設けられたキュービクルにて低圧(100V/200V)に変換しています。
漏電
屋内に配線されている電気器具は、絶縁物により電気が漏れないように守られていますが、絶縁物が劣化し傷つくと電気が漏れることがあります。これが「漏電」と呼ばれるもので、火災や感電などの電気的事故の原因になるため、非常に危険です。回路の漏れ電流を測定することで検出できます。
感電
漏電している電気器具に人体が触れると、電流が人体を通って大地へ流れます。その際に、人体に様々なショックを与えますが、この時のショックが「感電」と呼ばれるもの。42V程度の電圧で死亡に繫がることがあるため、点検時の感電を防ぐためには、検電器を用いて充電の有無を確認しましょう。
検電
検電器を用いて、回路における充電の有無を確認する行為のこと。電気は目に見えるものではないため、検電が作業者の身を守ることに深く繋がりますので、感電を防止するためにも、作業を進める前には必ず検電を行っているのです。
増し締め
ケーブルや電気機器にねじ締めを施した場合、締め付けが弱くないことを確認するためにねじを締め直します。これが「増し締め」です。増し締めは基本2人以上で行います。作業者一人がねじ締めした後にもう一人が締め直して確認するといった方法です。
ウエス
ウエスは機械類の油や汚れを拭き取る際に使用する布のことです。現場ではぞうきんやタオルとは呼ばれないのです。
【実践編】電気の専門用語一覧集
実際の現場で、図面の確認や設備を点検する際に用いられる電気の専門用語は次の通りです。
責任分界点
責任分界点は、契約側構内の電柱に設置されている区分開閉器(高圧気中開閉器)と電力会社の引き込み線の境目部分のことを言います。これにより電気的な問題が発生した際の対応の仕方が変わるので、電気設備の図面では、責任分界点が必ず記入されています。
デマンド
電力関係のデマンドは「デマンド」とだけ呼ばれることがほとんど。実際の現場で用いられる「デマンド監視装置」は電気料金を算出する際に使用され、最大需要電力などを計測するために必要です。
ポリ塩化ビフェニル【PCB】
ポリ塩化ビフェニルは通称「PCB」と呼ばれ、沸点が高く水に溶けにくいといった性質を持つ油状の物質です。変圧器やコンデンサなどの電気機器で用いられていましたが、毒性が強く脂肪に溶けやすいといった性質もあるため、PCBの含む電気機器は、2001年にPCB廃棄物として期間内に国から処理することが定められました。実際の現場ではこういったPCBの含有率を調べることがあります。
絶縁抵抗計【メガー】
絶縁抵抗計は、絶縁物で電気的に絶縁されている箇所の抵抗値を検出します。メガーと呼ばれることの方が多く、低圧用や高圧用の種類があります。
接地抵抗計【アーステスタ】
接地抵抗計は、回路の接地抵抗を測定するために使用します。2本の接地棒と3本の電線が特徴で、低圧・高圧に関係なく行う検査です。電圧の大きさや用途によって「D種接地工事」などの区分が設けられています。